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ミナミの祈り

この苗自体が
魔法であれば…!

ミナミは抱えた苗鉢に
この街を救ってもらえるよう
こころのなかで
お祈りをした
しかしながら
特に何も起きなかった
電波塔の巨人は
門への歩みを止めず
進行を続けるばかりだった

ライスワイフが
ホバリングしているけれど
何かあったのかな?

雑草の髪の少年が
そう思ったとき
ライスワイフは
こちらを振り返って叫んだ

ヤァ少年!!
今この下に
ミナミが居るんだ!!
デカブツを止める方法が
あるかもしれないんだってさ!!

そう言われても
ミナミの姿は
少年とアイウェオからは
小さ過ぎて
肉眼では確認することが
出来なかった
それでも
ライスワイフの
言葉を信じて
出来る限り
動きを封じるように努めた

ミナミの苗鉢は
依然として
奇跡など起こさなかった
巨人はもうすでに
門の近くまで
辿り着いていた
ミナミが
諦めかけたその時
地中から
巨人ほどある巨大樹が
門の前にいる人々を
守るように
聳え立った


◆ 戦利品 ─【防護壁の巨大樹】

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