石薔薇の棘

ぬいぐるみ巨人の
ワタヌキの父は
電波塔巨人の
マグマドグマを
殴り続け
それをカバーするのは
ミナミだった
その後継は
まるで移動する
闘技場のようだった
そして遂に
ドミニスリヤの
ラボ跡地まで来た
少年の思った通り
そこは大きな空洞になっていた

ここに嵌めれば
身動きを封じられる！

少年が歓喜したのも
束の間
二体の巨人は
その空洞を通り過ぎ
後ろの石薔薇の壁まで
行ってしまった
電波塔巨人は
ぬいぐるみ巨人の
猛攻を受けて
相当消耗しており
見かけも
なんだったのか
分からないくらいに
変形していた
ぬいぐるみ巨人は
電波塔巨人を
石薔薇の壁へ
追い詰めたが
待っていたかのように
電波塔巨人は
ぬいぐるみ巨人の拳を
すかさずかわした
するとその拳は
石薔薇の壁に
突き刺さった
それと同時に
拳にも石薔薇の棘が
突き刺さった
その瞬間
傷口から
空気でも抜けるように
綿毛が大量に
溢れて飛んでいった

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◆ 戦利品 ─【綿毛の嵐】