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ヤマトの世界 【地底帝国の詩 109】

ヤマトはアサツキに、
得意げに自分の居た地上の話をした


 そこには青い海があって
 緑豊かな木々が生い茂ってて
 鮮やかな空がある。
 鳥も飛んでいるし
 飛行機や車も走っている!
 ── 段城矢真十

 まるで、
 昔読んだおとぎ話の絵本
 そっくりじゃないか…。
 ── 公社の研究員、アサツキ

 でも、ここの技術は
 地上なんかよりも遥かに進んでいるよ
 むしろ、
 洗練されてると言ってもいいかも知れない。
 ぼくたちの世界は便利になればなるほど
 生きづらくなってゆくんだ。
 便利さと引き換えに
 こころがだんだん狭く醜くなってゆく。
 逆に、
 人間という生き物は退化してしまっているのかもね。
 ── 段城矢真十

 それは…とても悲しいことだ。
 しかし、それはどの世界でも
 同じことなのかもしれないな。
 ── アサツキ
 
 ねぇ、
 この世界は
 どんな世界なの?
 ── 段城矢真十

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