愛すべき鳥

遠くの空には
またもや未確認飛行物体が
リヴィングに向けて
急接近していた


「おい、またなんか来るぞ」
── ふくよかな幻術師、ホークジョウ


モントローザが
文字盤に指を滑らせると
お菓子の家の
巨人の腕は
未確認飛行物体を
遮るように働いた
腕に遮られ
ペシャンコになって
地に落ちてゆくと
誰もが思っていた次の瞬間
まるで意思でも
持っているみたいに
巨人の腕をすり抜けて
リヴィングに一直線に入って来た


「ちょっと〜、人のうちお邪魔する時はチャイムくらい鳴らしなさいよ!」
── 樹木呼びのミナミ



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