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TwitterスペースはUGCが拡散しやすい? 企業活用の利点と可能性とは

2021年5月にリリースされ、少しずつ活用が増えているTwitterスペース。

ユーザー同士が音声によってリアルタイムに会話できる機能で、誰でもその会話を聞くことができます(Twitterスペースの詳細はこちら)。

著名人やインフルエンサー、メディアによる活用が増え、多くのリスナーや反応を集めていますが、企業アカウントがTwitterスペースを活用した事例は多くありません。

今回は、味の素冷凍食品株式会社が2022年2月26日(土)の「シュウマイの日」に向けて実施したプロモーション「#シュウマイペアリング総選挙」でTwitterスペースをどのように活用したのかをご紹介するとともに、Twitterスペースの企業活用の可能性を考察します。なお、本プロモーションは企画から実施、効果測定までトライバルが支援しました。

シュウマイペアリング総選挙とは

「#シュウマイペアリング総選挙」は、“ビールを超えるシュウマイに合うお酒はどれ?” をテーマに実施されたプロモーション施策。シュウマイに対する好意的なパーセプションを中長期的に獲得し、シュウマイの需要を拡大していくための足がかりとして行いました。プロモーションの主な狙いは「シュウマイの日(※1)」である2月26日に向けて、シュウマイに関するクチコミを増やすことです。

※1 「つつむ(226)」の語呂合わせから、日本シュウマイ協会が毎年2月26日を「シュウマイの日」と制定しました。

本施策は2022年2月24日(木)~26日(土)に行なわれ、同期間内にまずはプレゼントキャンペーンが実施されました。キャンペーンでは、ビールの他にシュウマイに合うお酒としてハイボール・レモンサワー・赤ワイン・白ワインの4つを提示し、シュウマイに合うと思うお酒をツイートしてもらうこと、そしてアカウントをフォローしてもらうことを参加条件にしました。

そして、プロモーションの最終日となる2月26日には、総選挙の公式アンバサダーに就任した料理研究家のリュウジさん(@ore825)とメインMCの双松桃子さん(@momosan0627)、味の素冷凍食品のシュウマイ開発担当者が「開票式」と称してTwitterスペースを実施。開票式後には、そのままTwitterスペースで「打ち上げ」が行なわれ、複数のインフルエンサーがスピーカーとして参加しシュウマイについてアツく語りました。

プロモーション全体の流れは以下のとおりです。

施策の結果、プロモーションの狙いとして掲げていたシュウマイに関するツイート数は昨年同日(2021年2月26日)の約2倍に増加Twitterスペースの再生回数は127,000回を記録し、大きな反響が得られました。

シュウマイに関するツイートを集計/集計期間は2020年2月26日・2021年2月26日・2022年2月26日/ソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を利用

Twitterスペースが他プラットフォームに比べて優れている点は?

Twitterスペースに参加するユーザーは、スペースを作成したホストと会話するスピーカー、会話を聴くリスナーに分かれます。

シュウマイのツイート数を見ても「#シュウマイペアリング総選挙」はTwitterスペースの活用によって大きく盛り上がったと言えますが、それにはTwitterスペースにあって他のプラットフォームにはない3つの強みが影響していました。

① スペースに関するUGCが拡散しやすい

Twitterスペースは、InstagramやYouTubeのライブ配信とは異なりコメント欄がありません。リスナーが配信に関してコメントを送りたい場合は右下のプラスボタンからツイートをすることになるので、それは自ずとUGC(※2)としてタイムラインに投稿され、リスナーのフォロワーにも拡散されます

※2 User Generated Contentの略で、ユーザーが生成したコンテンツのこと。ソーシャルメディアやクチコミサイトへの投稿などが含まれる

「#シュウマイペアリング総選挙」でリスナーから拡散されたのは、スペースが配信されているという情報だけではなく、プロモーションに関する内容やシュウマイの食べ方、料理の仕方、スペースに登場するインフルエンサーに関する情報などでした。

InstagramやYouTubeのライブ配信のコメント欄に寄せられた意見や感想は、視聴者以外には表示されないため、Twitterスペースに比べてクローズドな場だと言えるでしょう。スペースの方がリスナー以外にもスペースの話題や感想が拡散しやすく、ハッシュタグの活用を促すのも効果的です。

「#シュウマイペアリング総選挙」でも、スピーカーがリスナーのUGCを取り上げることで盛り上がりや一体感をつくることができました。2月26日のツイート数推移を24時間で見てみても、昼と夜に2つの大きな山があり、夜の山はTwitterスペースによる影響と考えられます。

シュウマイに関するツイートを集計/集計期間は2022年2月26日/ソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を利用

シュウマイに関するツイートには、シュウマイの食べ方に関するものや購入意向が高まっていると分かるもの、味の素冷凍食品のシュウマイについて書かれたものなどがありました。

② 実施していることが伝わりやすく、参加を促しやすい

Twitterスペースを配信するアカウントのフォロワーには、タイムラインの最上部に配信中であるアイコンが表示されます。Twitterのアプリを開いたときのファーストビューに表示されるため目に留まりやすく、日頃からコミュニケーションをとっているフォロワーに参加する機会を提供できます。

また、ホストとなるTwitterアカウントのフォロワー以外(非フォロワー)にも、リスナーによるUGCが増えることで、配信中であることが伝わります。フォロワーにも非フォロワーにも実施していることが伝わりやすいというのが、Twitterスペースの特徴の1つです。

「#シュウマイペアリング総選挙」では、声優の木村良平さん(@Ryouhey_Drunk)が途中参加された際に「良平さん」がTwitterトレンドにランクイン。木村良平さんのファンにも参加したいと思ってもらえたと予想できます。

また、映像ではなく音声のリアルタイム配信なので、家事や子育てなどをしながら(ラジオ感覚で)聴くことができるため、参加するハードルが下がるというメリットも挙げられます。

③ スペースは必要最小限の配信設備で実施できる

InstagramやYouTubeのライブ配信は動画で行なうことがほとんどなので、スタジオや配信機材、出演者の衣装、メイクなど、実施前にかなりの準備が必要です。

一方でTwitterスペースは音声のみで配信するため、動画配信のための衣装やメイクなどは不要であり、ホストやスピーカーのスマホで対応ができるため、必要最小限の配信設備で実施できるという利点があります。本施策でも参加者自身のスマホを使ったため、大掛かりな配信設備などは用意していません。

Twitterスペース × インフルエンサーマーケティングで得られた示唆

Twitterスペースの強みをご紹介してきましたが、「#シュウマイペアリング総選挙」の特徴はスペースの活用だけではありません。

冒頭でもお伝えしたとおり複数のインフルエンサーを起用したのですが、起用したのはシュウマイから連想される料理研究家さんだけでなく、web漫画家、人気動画クリエイター、声優、DJなど、さまざまでした。どうしてでしょうか……?

それには2つの狙いがありました。

1つ目については、TwitterスペースはUGCが拡散しやすいことから、多種多様な業種のスピーカーに参加いただくことで、味の素冷凍食品のTwitterアカウントが日頃はリーチできない幅広いユーザーにブランドに関する情報を伝えることができます

また、Twitterスペースは音声のリアルタイム配信であるため、リスナーを楽しませるための話術や工夫が求められます。さらに、ひとりではなく複数人で会話をしながら配信するため、登壇者同士が初対面だと会話に「固さ」が出てしまう場合があります。2つ目の狙いは、これらを解消するために意識したことです。

今回は、やしろあずきさん(@yashi09)をはじめ、リュウジさんのご友人・お知り合いのインフルエンサーを起用し、友人同士の会話を盗み聞きしているようなエンターテインメント性のある企画にしました。

Twitterでのインフルエンサー施策は文章や画像で投稿されることがほとんどですが、Twitterスペースによってインフルエンサーの声を聞けるというのは、フォロワーにとって新鮮で嬉しい体験になります。友人同士の会話を通じて、いつもと違う一面を見せることができ、リスナーから好印象でした。

また、インフルエンサーも知っている方と一緒に自然体で参加することができたからか、「楽しかった」「最高」などとツイートをしていただくことができました。

企業とインフルエンサー、そしてインフルエンサー同士のコミュニケーションをベースにTwitterスペースでどのような配信をするかを設計することで、インフルエンサーに自発的に発信してもらう(発信したくなる)状況をつくることができます。その結果、インフルエンサーのフォロワーに対して、質・量ともに優れた発信をすることも可能です

最後に、Twitterスペースにインフルエンサーを起用したプロモーションによって得られた示唆をまとめてみましょう。

・Twitterスペースは、InstagramやYouTubeのライブ配信に比べてUGCが拡散しやすい
・フォロワーに向けて、いつもとは違うコミュニケーションをとることができる
・Twitterスペースはリスナーの参加を促しやすく、配信者の負担が少ない
・幅広いインフルエンサーを起用することで、(フォロワー以外の)多くのユーザーにブランドに関する情報をリーチできる
・インフルエンサー同士のつながりを考慮して起用することで、自然体、かつ自発的に参加してもらう(発言してもらう・ツイートしてもらう)ことができる

本施策はどうだったか? 担当者に聞いてみた

「#シュウマイペアリング総選挙」を担当いただいた味の素冷凍食品の朴さまに、施策前後のTwitterスペースに対する印象をお伺いしました。

かねてより企業が開催しているスペースにリスナーとしてお邪魔していましたが、ホスト側は好きな時間・好きな場所で開催が、リスナー側は “ながら聴き” ができることから、かなり自由度が高いコミュニケーションツールであると感じていました。
今回、施策の中で、「#酒とシュウマイ」を付けてツイートいただきユーザーの本音を探ること、ユーザーのツイートをリアルタイムでキャッチアップしてスペースの中で取り上げることで、まるで目の前で会話をしているかのような、双方向のコミュニケーションが実現できたのではないかと思います。企業という壁を取り払い、生活者との絆を深めるのにとてもよいコミュニケーションツールだと改めて実感しました。
今後も企業コミュニケーションの1つとして、継続して実施を検討したいです。

味の素冷凍食品株式会社 マーケティング本部 国内統括事業部 製品戦略部 朴 泰洪さま

また、インフルエンサーのキャスティングと配信構成などを担当いただいたエイベックス・エンタテインメントの高木さまにも、本施策で意識したことをお伺いしました。

キャスティング・配信構成においては、インフルエンサーが自然体で施策に取り組めるような環境づくりを念頭に置きました。台本の構成を2時間26分の大枠で組んだ上で、決まった進行・構成ではなく配信者やユーザーの動向で変化させるようにオンタイムで進行しました。決まり切った答えではなく、余白を持った「生感」のある構成がインフルエンサー(クリエイター)をよりプライベートな空間に誘い、嘘のないコミュニケーションを演出できたと感じています。

エイベックス・エンタテインメント株式会社 アライアンス部プランニング・クリエイティブユニット マネージャー/事業統括本部シニア・プロデューサー 高木 智司さま

新しいコミュニケーション手段である「Twitter × 音声」

今回は、Twitterスペースを活用したプロモーションによって得られた示唆を、事例とともにご紹介しました。

中長期的なコミュニケーションのためにTwitterキャンペーンを実施する企業やブランドのアカウントは多く見られますが、Twitterスペースを積極的に活用しているアカウントはまだ多くありません。

音声によるコミュニケーションを可能にしたTwitterスペースを自社はどのように活用できるのか、プロモーションに活かせるのかについて興味のある方は、以下よりお問い合わせください。

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