好きこそ物の上手なれ


私はずっと、自分のことを「劣性の塊」だと思って生きてきた。



きっかけは中学生の頃。
理科の授業で遺伝について教わり、「優性」と「劣性」を知った。

簡単に説明すると、
Aaという組み合わせの遺伝子を持つ両親から生まれる子供の遺伝子は、AA、Aa、Aa、aaの4通りの組み合わせが考えられる。Aやaというのは形質を表していて、一般的にAが優性形質、aが劣性形質とされている。
優性形質は子に受け継がれやすい形質とされていて、先ほどの子供の遺伝子がAA、Aa、Aaだと優性形質になる、すなわちaの形質は食われてしまう的なニュアンスだ。子供が劣性形質になるのはAが存在しない、つまり遺伝子の組み合わせがaaの時のみ。
劣性形質は、受け継がれにくい性質である。




教科書では、人間で言うと二重が優性で一重が劣性、まつげが長いのが優性で短いのが劣性…などと紹介されていた。

私自身は一重。まつげは人より短い。左利き。えくぼもない。教科書に書かれた、受け継がれにくいとされている「劣性」に驚くほど当てはまる。


授業ではもちろん、「劣性」とは受け継がれにくいだけで、他より劣っているという意味ではないと説明を受けた。
理解してるつもり…だが、なぜ受け継がれにくく少数派な特徴、しかも一重やまつげが短いなどの、自分のコンプレックスでもある外見的な特徴がこんなにも重なって私には降りかかっているんだ?


そう思ってよくよく考えてみると。

人見知りで初対面の子とは全く喋れない
人前が苦手でアドリブなんて無理
少食かつ食べるのが遅い
人に思ったことをすぐ言えない
こだわりが強い
声が小さい
天邪鬼
足も遅い
歯並びも悪い
彼氏もいない

…笑っちゃうな。

一般的に良いとされている(自分がそう思っている)ような、元気で、コミュ力が高くて、かわいくて…みたいになれなかった、「どうして私はこうなんだ」という普段から積もっていた思いと共に、


「私って劣性の塊でしかないなんだな…」


こう思うようになった。
今でもこの時の感情は忘れられない。

(ちなみに、劣っているという間違った解釈を招くとのことで、2021年度から、優性・劣性→顕性・潜性に用語が変更されたそうです。)




そんな私がnoteを始める。

劣等感とひねくれた性格でできている私。社会は不平等で自分ばかり不幸だ!と思いがちな私。後悔と反省ばかり繰り返す私。それでも最近、少しずつそんな自分を好きになれるように変わった私。


「文章を書く」ことに興味を持ち始めた今、私だから思うこと、私だから伝えられることを探りながら書いてみることにした。

いつか、誰かの心を、ほんの少しでも、ふっと軽くする力をつけられるように。






……と、何者でもないくせにこんなことを書く自分が恥ずかしく、全て消してしまいたい衝動と戦いながら何とか書き終えた。noteを始めてから投稿までかかった時間は約2ヶ月。

ほらまただ。めんどくさい性格だな私は。

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