見出し画像

円安だと資産が増えて嬉しい?円安を喜ぶべきか否か??

こんにちは、トライサポートのツジです。

本日は、円安円高について考えてみようと思います。
なるべく簡単に、
身近なもので考えてみようかなと思っていますので、
お気軽に読んでいただければ嬉しいです。


本日の為替

本日(2024/6/24)、1ドルが160円に接近中です。
(今確認すると159.75円でした)
先日は、世界的に見て日本の円が過去最低の価値との新聞報道もありましたね。

円高円安とは?

色んな方に読んでいただいていると思いますので、
まずは、簡単に円高円安について説明します。
1ドル。というドルを買うのに、今は160円が必要になります。
(面談時には1ドルと言っても想像しにくいので、グレープフルーツで例えています。)
今は、1ドル(1グレープフルーツ)を買うのに160円要るのですが、1ドル(グレープフルーツ)が値上がりして、例えば300円になったとしましょう。そうすると、1ドル(グレープフルーツ)の価値が高くなって、円の価値が安くなった。これがドル(グレープフルーツ)高円安。ですね。

逆に、160円だったグレープフルーツが、100円になりました。160円だったものが100円で買えるようになった。1ドル(グレープフルーツ)は安くなって、円の価値が高くなった。ので、ドル安円高。です。

なんとなく分かりますか?
勘違いされるのですが、いくらからが円高で、いくら以上が円安。なんてことは無いんです。
あくまでもある一定のタイミングと比べて円高とか円安。と言われます。


では本題ですが、

円安は喜ばしい事なのか?そうではないのか??

円安を喜ぶ人で多いのが、米ドル基軸の資産を持っている人ですね。
1ドル100円の時に買って、持っておくだけで、今は1ドル160円ですから、単純に1.6倍になっています。仮に1ドル200円になれば、元の値の倍になっていることになります。
当然、直接ドル資産を持つだけではなく、日本で扱われている投資信託なども、ドル資産に連動するものがたくさんあります。というか、証券会社の人気投資信託ランキングでも海外物が上位を独占していますね。
ですので、米ドルベースの資産を持っている人は、単純に円安になればお金が増えているように見えています。

はい、太字で書きました。
円安になれば、お金が増えているように見えている。んです。
まぁ、見えているだけ。
多くの人は直接米ドルで資産を持っているというよりは、円換算してその金額を資産として考えます。
日本の会社が発売している投資信託も、円換算して表記していますし、当然受け取るときも円ですしね。

円安によって、ドル資産は、円で見ると確かに増えています。
ドルで見ると、円安になっただけでは、増えていません。
100ドルは為替がいくらになっても100ドルなんです。

日本で使う分には、円で増えていたらそれで良いじゃないか。という声も聞こえてきますが、何十年も前ならそれでよかったんです。
国内で作って、国内で消費する。のであれば、基本的に他国は関係ないのですから。

ただ、物流も情報も発達した今、海外抜きには考えられないのです。
円安になれば、円が増えて見える代わりに、モノも確実に高くなっているのです。
輸入物の値段が上がるのはイメージ付きやすいですが、純日本産のモノも確実に値上がります。例えば国産鶏。産まれるのも捌かれるのも日本ですが、鶏が食べている飼料は外国産ですし、ガソリンを使ってトラックで運びますよね。

イメージでいうと、円安で1.2倍になれば、物価も同じように上がっていくのです。政府の調整や補助金などもありますが、基本的に円安は物価上昇に必ず繋がっているのです。

もう一つ、身近なものの値段を例にして考えてみましょう。
みんな大好き、iPhoneです。
例えば、約10年前に発売したiPhone6の128GBモデルは、当時、税抜き89,800円でした。アメリカでは849ドルでした。

ちなみに2023年に発売されたiPhone15の128GBモデルは、124,800円です。
アメリカではいくらで発売されたでしょうか。
なんと799ドルです。

言いたい事分かります??
この10年、iPhoneが値段上がったなーなんて思ってる人多いと思いますが、10年間、米国での本来の値段は変わってないのです。
(iPhoneプロとかマックスとか、上位モデルは出てますけど。)
素のiPhoneだと、値段はほぼ一緒(というか安くなってる)。
だけど、日本では、89,800円(税抜き)→124,800円(税込み)で値段が上がっています。
これは、ただただ円安の影響です。
つまり、円安で資産が増えたように見えてても、増えていないんです。

ここまでご理解いただけますでしょうか。

この円安で、海外からみたら日本は激安になってきているという事。
海外の人から見ると日本は安くなっているのです。
例えば、1ドル100円の時と今(1ドル=160円)を比べると。
外国人から見ると、払う金額は同じ100ドルで、1ドル100円の時は10,000円、今は16,000円のホテルに泊まれます。
これは、海外の人は安く旅行できていいですね。って話ではありません。
日本のホテル運営会社は、徐々にホテルの値段を外国人が払ってくれる価格に合わせてきます。そりゃ、儲けないと人件費も払えなくなりますからね。
つまり、日本のホテルもどんどん高くなる。
日本人の一昔前の感覚で1泊10,000円程度のホテルは、16,000円位になってくるのです。
ご飯屋さんもそうですよね。観光地とそうでないところで多少その速さは違ってきますが、いずれにしても同じことなのです。

ここで重要な事は2つ!

一つは、ドル資産を多く持っている人はまだこの円安による物価高についていけますが、ドル資産を持っていない人は、この円安によって、実際に使える資産は確実に目減りしているという事。
例えば上記の例だと、100万円では、100泊ホテルに泊まれるはずだったのに、今は62泊しか泊まれない。iPhoneでもなんでも同じです。
誤解されるとよくないのですが、ドルで運用しましょうと言っているわけではないのです。ドルに限らず、世の中の流れに合わせて価格が動くものに資産を変えて持っておくのが重要なのです。金でも不動産でも株でも何でもよいと思います。いや、何がどうなるか分からない世の中なので、色んなものに分散していくのが良いと思います。 逆に、今日本円しか持っていない人は、日本円に全額投資しているのと同じなのですから。

もう一つは、円安によって、海外から色んなものが買われているという事。表向き日本の会社でも、今、どんどん海外からの買いが入っています。私の知っているゴルフ場も海外企業が運営していますし、近所の大きな家も外国人の別荘として買われました。大手上場会社も、海外企業から買収されるなんてこともありますよね。気付いたら、右も左も、観光地も、実は所有者は他国。なんてことになるかもしれません。

この円安の流れが全部悪いとは思いません。
インバウンドや輸出企業にとっては恩恵も相当あると思います。
ただ、円安=資産増加で「わーい。円安最高。」なんて言って過ごしていると、とんでもないしっぺ返しが来るような気がします。

上記でも書きましたが、円安でも円高でも、世の中のお金の流れにしっかり乗れるように分散投資をしておく必要があります。
では、何に投資をすればよいのか?
そう言った事を、まわりのFPや投資に詳しい人にぜひ相談してみてください。国を挙げて投資を推進しています。取り残されないように、少しずつでも学んでいきましょう。

面白かったと思っていただけたらコメントやイイねを頂けると嬉しいです。
興味があればトライサポートでも相談受付中です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?