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「孤独死から発見までのタイムリミット72H」

人体腐敗プロセスと早期発見の重要性についてまとめました。


「孤独死から発見までのタイムリミット72H」

上記を過ぎると、遺体の腐敗が進み、遺品の撤去だけでは済まなくなります。お顔を見て、人としての尊厳を大切にした見送りも不可能なものとなってしまう。

人体の死後経過状況

• 12H後:死後硬直が始まり、体が硬直してくる。
• 24H後:死斑が形成され、体の一部が紫色に変色する。
• 48H後:死斑がさらに濃くなり、体の一部が部分的な腐敗を始めることがある。
• 72H後:細菌が遺体の分解を進める過程で腐敗ガスが増え、皮膚が裂けて体液や血液、脂が漏出し、遺体から悪臭が発生する。周囲に対して急速に影響を及ぼす可能性がある。

季節による影響

• 夏季:気温が高く、微生物の活動が活発化しやすいため、遺体の腐敗が進行しやすい。
• 雨季:湿度が高くなり、湿気によって微生物の繁殖が促進されるため、遺体の腐敗が進みやすい。
• 冬季:暖房稼働により室温は高く腐敗は進行するが、湿度が低いため夏場と比較すると進行具合は遅い場合がある。

遺体から漏出する体液や血液、脂は悪臭と共に内装材や建材に染み込んでしまい、建物に大きなダメージを与える。これらが染み込んだ内装材は取り除く必要があり、清掃、除菌、オゾン脱臭、消臭といった特殊な作業が必要となる。畳やクッションフロアの入れ替えなどの軽微な対応で済む場合もあるが、遺体発見が遅れれば、床板や柱、襖、壁の下地まで染み込むことがある。特に木や石膏ボードは臭いが染み込みやすく、表面的な洗浄や消臭では除去が困難であるため、これらの部位を取り替える必要がある。また、腐敗臭に引き寄せられて害虫が集まり、近隣住戸にも侵入することがあるため、駆除作業が必要となる。

国土交通省の「住生活基本計画における住居面積水準」によると、健康で文化的な住生活を送るために必要不可欠な面積は、単身者世帯で25㎡である。これだけの面積の特殊清掃を依頼し、さらに床や壁の張り直しといったリフォームが必要となれば、大きな費用がかかる。亡くなった人の相続人すべてが相続を放棄すれば、これはオーナーが負担するしかない。

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