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恐ろしい魔物を見せていたのはこの私だった


わたしの母は

コミュニケーション力が半端なく高い

どんな気難しそうな人にもふわっとやわらかく話かけて

笑顔にしてしまう


優しくてかわいらしい

少女のようにくるくる動き回る母


私の友達からも「皇室の人みたい」と言われる

気品ある母は

先日久しぶりに会ったら

老けこんで

とても小さくなっていた


もちろん突然そうなったわけじゃない


一緒に過ごしているパートナーとの関係で

言いたいことも言えず

好きなことも好きと言えず

いつも我慢してきたんだろう


自分のスキを出せなくなってしまった彼女は

まるで自分で自分に諦めてしまったかのように

ここ数年で少しずつ物忘れがひどくなり

身体も顔もまあるく下向きになっていった


そんな母に会うたびに

娘の私がなんとかしてあげなきゃ

助けてあげなきゃって

ずっと思ってもがいて生きてきた


また

彼女のパートナーに対しても

私の中に強い被害者意識があって

あの人のせいでこうなってるんだ!

あの人が悪いんだ!って

思い込み

憎しみすら抱いて生きてきた


だからこそ

いつも彼らと会うと

こちらがぐわんぐわんと振り回され

後からもぬけの殻となるくらい

毎回疲労困憊してしまう自分がいた


そんな他人軸に翻弄されてきた私が

アドラー心理学や合気道に出会い

少しずつではあるけれど

自分の中に

軸ができはじめた



私の中に大きな核があり

周囲によって影響されることはない

どしんと構えて

過不足ない自分のままで

会ってみようと思えた


そうして久しぶりの再会をはたし

一緒に行動を共にしているときに

ふと脳裏に浮かんだこと


あれ?


実は母のパートナーって・・



単にめっちゃめちゃ繊細な人なだけなのでは・・・



そうか

だから人より細かいことに気づき

細やかな指摘や配慮ができる


自分にも人にも求める理想がべらんめえ高く

自分にも人にもめちゃめちゃ厳しい


彼を慕う人が多いのも

繊細がゆえにいつも人の気持ちを感じ取って

心を通わせることを大切にしてきた彼の感性があったからなのか


そして彼はその特性を最大限に活かし

大きな成功を果たし

そして今もなお進化し続けているのか


そう頭に浮かんだ瞬間

長年私の中にあった鬱積した

怒りや悲しみ

そして恐怖が

すっと

消えていくのがわかった


でっかくて

恐ろしくて

威圧的にみえていた彼が

初めて

ちいさく

あたたかく

等身大の姿にみえた


と同時に

母に対しても

パートナーの彼を

威圧的で大きくて

恐ろしくてあらがうことができない存在なのだと思い込み

閉ざしてきたのは

母自身であり

だからこそ

彼の一言一言が

つらく感じたり

不満に思ったりしているのだと

わかった



なんてこったい



恐ろしい魔物がいたわけじゃない


恐ろしい魔物がいると

私にみせていたのは

他の誰でもない


私だったんだ



私の中でずっと魔物におびえていた

小さな私


母が大好きで

母を守るために

ずっと母と同化していた

小さな私



もう

大丈夫だね

お別れの時間だ



母と分離した今

私の前にひろがっているのは

これまでは見えてこなかった世界


その新しい世界に

等身大の私で

飛び込もう



2021/07/23   


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