英才教育?

突然だが、私と夫は地図が好きである。

結婚前、離れて暮らしていた頃もお互いgoogle mapを見ながらSkypeで話すのが常だった。地図を見ながら一体何を話しているのか。特別目的があって見ているわけではない。ただお互い同じ辺りを見て、「あ、ここにはこれがある」「この道はいいね」「ここは道の形的に山を開いた住宅地だね」「これは昔の川の流れだね」等々、地図を見ながら話していたのである。

そんなの楽しいの?と思う人は思うのだろうが、私たちは楽しい。地図ネタだけで毎日1時間以上話していたと思う。

さて、そんな私たちに子どもが生まれた。気になるのは「地図が好きかどうか」である。

私が子どもの頃、家にあった地図と言えば、ある日突然階段の壁に貼られた住んでいる県の地図だけだった。小学校で地図帳をもらってからは、授業に関係ない時でも何度も何度も眺めた。全く地図の無い生活だったわけではないが、もっと地図が欲しかった。息子が見たいかどうかはわからないが、それなりに地図欲を満たせる環境が、生まれた時から我が家にはあるのである。

手始めに。1歳や2歳の頃から手に取れる場所に道路地図を置いておいた。すると、たまに絵本を読んでくれという時に「りんご」と言いながら道路地図を持ってくることがあった。

そういう時はまず住んでいる場所を開き、「今ここにいるんだよ」と言う。その後、実家の位置や、息子に関係のある場所を見せた後、好きなページを眺めたりした。

結婚後も相変わらず何かあればgoogle mapを開く私たちなので、息子もよく一緒に見ている。それに対して特に反応はないのだが、「今日のお散歩コースはこんな感じだったよー。何キロだったって」と言えば、「へー」と見たりはする。

最近、住んでいる県の地図と日本地図をリビングに導入してみた。夫の実家が遠方なのでその説明のための日本地図と、身近な場所も必要だろうと我が県の地図である。仮に息子が使わなくても親が眺めるので問題ない。

しかし思った以上に息子は見ている。そして夫に毎日「今日は(仕事で)どこ行ったのー」と聞いている。地名等は全然覚えていないが、「今日はこの辺に行ったよ」と聞けば「へー」と言っている。

少し驚いたのは、「この川は?」と聞かれた時だろうか。私は息子に地図の川を教えた記憶はないので、夫が教えたのか、それともどこかで知ったのかわからないが、青い線を川だとちゃんと認識している。

息子が生まれた後、夫と「地図の英才教育をするかしないか」を話すことがあったが、特別しなくても恐らく息子は地図によく触れている。私たちの子どもならぜひ地図好きに!という気持ちが少なからずあったわけだが、私たちの子どもなら普通にしていても地図に触れる機会は多いだろう。

特別「好き」という感じは今のところしないけれど、少なくとも「嫌い」や「苦手」という感情は持っていないと思われる。英才教育をしなくても、今はそれでいいんじゃないかなと思う今日この頃なのである。


ではまた明日。