ひざのすり傷

家の中で転んだ。

確かに布団の端の方を踏みはしたのだが、何がどうなったのか滑って盛大に転んだ。

手に持っていた洗濯物を干す用のハンガー(と言えばいいのか、細々したものを干せる沢山洗濯バサミのついたあれ)は折れて使えなくなり、痛みでしばらく動けなかった。

体には打ち身。ひざにはすり傷。大人になってからこれだけ完全に転んだのは初めてかもしれない。しかも家の中。何故そうなったのだ。一瞬、老化という言葉が頭をよぎるが、明らかに滑って転んだのでそれは違うと思いたい。もっと若ければ転ぶまでいかずにどうにかなったかもしれないが、恐らく若くても転んだはずだ。そうに違いにない。ということにしておく。最近、一時やめていたスクワットを復活したのだが。もっと筋トレを意識した方が良いのだろうか。

ひざのすり傷はヒリヒリとして、その日1日痛かった。曲げても痛い、服が擦れても痛い、何もしなくても痛い。そこまで酷い痛みではないのだが、何をするにも気になる程度の痛みではある。

文字で表現するなら、まさに「ヒリヒリ」がぴったりな痛みだった。すり傷を作った時特有の痛み。それは何だか懐かしさを感じるもので、小学生くらいの時を思い出すものだった。

子どもの頃は、今よりも転んで擦りむくことが多かった。その度にこの痛みを経験して、けれど今よりもその痛みを気にしていなかったように思う。日常だから慣れていたのか、それ以外に夢中になるものが沢山あったから痛みを忘れていたのか。お風呂に入る時だけは少しドキドキして、けれど入らなければどうしようもないので、えいや!と痛みをこらえて入った。そんな思い出がある。

おそらくこれは、多くの人にある思い出なのだろうな。においや味が記憶と結びついていることはあるけれど。痛みもまた、記憶と結びついているのだろう。

すり傷の「ヒリヒリ」に懐かしさを感じる自分が何だか面白かった一日だった。とはいえ好き好んで怪我はしたくないので、転倒防止の本でもあれば読んでみるかなぁ。


ではまた明日。