忘れ物防止機能付き4歳

職場の昼休憩で、私はいつもナッツを食べている。毎日カバンの中にナッツを入れてから出社しているわけだが、たまに入れ忘れることがある。

その日は玄関を出て車に向かう途中で忘れたことに気付いて、けれど取りに帰る時間は無かったので、「ナッツ忘れちゃったよ〜。まぁ仕方ないね」と一緒にいた息子に何気なく話した。

次の日の朝。

前日忘れたので、前日のうちからナッツはカバンに入れておいた。さて靴を履いて玄関を出ようと思った時、息子がポツリと

「おかあさん、ナッツ、忘れてない?」

と言った。

確かに前日そんな話はしたが、まさか覚えていて、しかも私に聞いてくれるとは思わなかった。今まで何かを忘れていないかと言われることが全く無かったわけではないが、ここまでタイミングと内容がピッタリ合ったことは無かった。今までの傾向だと、全く同じ場面(今回なら玄関を出てしまって車に向かう時)なら言うこともあったかもしれないが、その前のまだ取りに行ける玄関の中の時点で言ってくれたのだ。

「ありがとう。今日はちゃんと入ってるよ〜」

と答えつつ、息子の成長に驚いていた。偶然かもしれないが、もしかしたら、ちゃんと取りに行けるタイミングを考えて言ってくれたのかもしれない。

「4歳ってこんなことできるの?すごいな4歳!」とまだなって大して経っていない4歳への驚きを心の中で繰り返しつつ車に向かった。実際のところどうかはこれからの息子を見ないとわからないが、日々確実に成長しているのだと思う。

大人が思うよりもずっと、子どもは日々考え、成長している。どんどん成長していつか親から離れていってしまって、寂しく思う日も来るのかなぁと、喜びと共に少ししんみりしてしまった朝だった。


ではまた明日。