聞いた話

稲刈りの時。祖母に話を聞いてみた。

祖母が嫁いできた時の話である。

お盆辺りでご先祖様のことが気になった私。聞ける機会があるなら聞こうと早速聞いてみたのだ。


祖父と祖母は恋愛結婚…ということはなく、近所の人が仲人さんとなって話がまとまったらしい。結婚するまで会ったことも無かったそうな(祖母の実家は山越え含めて歩きで15分くらい?の場所)。

祖母と祖父の弟は同級生だったらしく。だから嫁いでくるのがとても嫌だったそうな。その弟自身がどうこうというより、同級生の兄と結婚するってのは何か気まずいものがあるよなとは思う。

しかも自分の実家と比べて古い(ボロい)家。屋根の下の辺りの壁?など吹き抜けだったそうで、夜に寝ながら天井を見た時、ヘビが這っているのを見たこともあったそうな。

「とんでもない所にきてしまった」

そう思ったらしい。


祖母が嫁いできた時点で、私のひいひいばあちゃんはいたらしく。1年くらいで亡くなってしまったそうな。「ひいひいばあちゃん」の話を聞いたのは、何気に初めてかもしれない。

そして嫁いできた時点で祖父の兄弟、1番上の姉以外は皆家にいたらしく。毎日4個、お弁当を作らなければいけなかったそうな。当時は炊飯器もないし、ご飯を炊くだけでも大変だった。しかし祖父も手伝ってくれて、毎日どうにかやっていたらしい。


その他。祖母が結婚する前の話、私が小さかった頃の話、いろんな話を聞いた。祖母とは小2〜私が結婚するまで一緒に住んでいたのだけれど、こういう話をちゃんと聞いたことは無かったのである。

若い頃はどうしても自分優先になるし。子どもが生まれて「世代」や「流れ」について考えるようになったこと。家を出て祖母との距離が少し離れたことで、聞くことができたのではないかなぁと思う。


とにかく今回、話を聞けて良かった。祖母が嫁いできた時の話など、父に聞いたところでわからないだろうし。祖母に聞かなかったら、もう話せる人はいないに等しい。「あった」ことすら知られないまま、消えていくしか無いのである。

私が聞けた話なんて、祖母の人生と比べたら本当に僅か。だけど聞いたからこそ「ひいばあちゃんが来た時はこうだったらしいよ」「その時、ひいひいひいばあちゃんも一緒に暮らしてたんだって」と息子に話すことができる。そういう選択肢ができたことは、とても「良いな」と思ったのだった。


今日の記事はとても個人的な話だし、わかりにくかったらごめんなさいなのだけれど。こういう場に書くのも、ひとつの「残し方」なのかなと思う。残したからと言って特別どうという内容ではないのだけれど。それを読んだ人が何かを感じてその後の人生を過ごしていくのなら。何となく意味のあることなのかもしれないね。


ではまた明日。