つきみそば

最近しりとりブームな息子。「しりとりしよう」と誘ってくる毎日である。

そんな中、気になる単語がある。「つ」になるとほぼ必ず、最初に「月見そば」と言うのだ。


私自身、しりとりは子どもの頃からやってきた。だから「しりとり」というものにはそれなりに馴染みがあるし、いろんな単語を聞いてきたし言ってもきた。

しかしおそらく。「月見そば」は、私のしりとり人生の中で初めての単語なのである。初めて息子から言われた時は衝撃だったし、その後息子の「つ」から始まる定番の言葉として言われる度に、「彼はどこで月見そばと出会ったのだろう??」と思う。


そもそも我が県は、「うどん県」と自ら言うほどにうどんの勢いがすごいのである。もちろんそばもあるし食べられているけれども、日常生活で目にして食べる事が多いのは、圧倒的にうどんだと思う。

……まぁうどんは「ん」がつくので。「ラーメン」と並んでしりとりでは使えない麺類なのだけれど。しりとりでぱっと出てくるほど、そばに馴染みがあるとは思えない。ましてただのそばでなく「月見そば」。おそらく息子は食べたことが無いハズだ(もしかしたら給食で出たことはあるのかもしれない)。


「そば」や「ざるそば」が息子とのしりとりで出てきたことは無いと思う。単純に「そ」や「ざ」で終わる単語が少ないのかもしれないけれどゼロでは無いし、息子が言う機会もあったハズ。しかし他のそばは言わない。割と良く出る「す」でスパゲッティが出てくることも無い。


彼の中で「月見そば」は特別なものなのだろうか。絵本や歌に出てきたことはあると思う。その時何かが印象に残ったのかなぁ?


もはや息子の中で「つ」の定番になっている「月見そば」。おそらく彼は、これからのしりとり人生の中でも言い続けるのだろう。それは大人になっても変わらないのではないだろうか。

いつか孫ができることがあってしりとりをすることがあったら、「あなたのお父さんから『月見そば』って単語を聞いてびっくりしたんだよ」と話したい。そうして子孫に「月見そば」が受け継がれていけばいいと思う。

しりとりでよく出る単語は実は家によって違っていて。それは地味に受け継がれていっているのかもしれない。



ではまた明日。