本。21世紀の「男の子」の親たちへ

今日は本の話。『21世紀の「男の子」の親たちへ』(おおたとしまさ、祥伝社)を読んだ。

男子校のベテラン先生の見解を引用しながら、21世紀の男の子たちは何を求められているのか、どう育てていったらいいのかを書いている。「男の子」と書いているが、女の子にも通じるところはある内容だと思う。

昔の男性は、仕事ができれば許される面があった。しかし現代では、仕事ができるのは当たり前、更に家事や育児を手伝い、妻の仕事にも理解がある、そんな男性が求められている。昔よりも明らかにハードルが上がり、「これさえできれば良い」というのが通用しなくなってきている。

これからも、世が男性に求めるものは変わっていくだろう。そんな中でも逞しく生きていき、幸せを感じられるにはどういう育て方をしていったらいいのか?

一言で言えば、子どもが「生きる力」を持てるようにすればいい。「どんな世の中になっても生きていける力」があれば、世界がどう変わろうと、自分で考え、行動し、逞しく生きていくことができる。

そのためには、「そこそこの知力と体力」「やり抜く力」「自分にはない能力をもつひととチームになる能力」の3つが必要なのではないかと書いている。

「知力と体力」は、日常生活を送るうえで、本人が困らない程度にあればいい。同世代の友達と楽しい会話が成立して、一緒に遊べるだけの体力があれば十分らしい。

「やり抜く力」は、「根性」「折れない心」「粘り強さ」「情熱」などのニュアンスを含む。夢中になって頑張り、達成感を味わい、挫折を経験し、それを克服する経験をすることで、強くなっていく可能性がある。

「自分にはない能力をもつひととチームになる能力」とは、生まれ育った文化的背景も宗教も価値観も違う、前提を共有していないひとたちとのコミュニケーション。 お互いの論理を丁寧に遡り、前提のズレに気づけることが大切だ。


では、子どもが「生きる力」を得るために親ができることは何なのか?

結局のところ、「経験泥棒をしないこと」、「見守っていること」、これに尽きるのだと思う。

親は良かれと思って口を手を出すが、目の前の出来事に対して子ども自身が考え、自分で解決策を見出していかなければ、子どもが「生きる力」を得るための経験にはならない。「子どものがんばりをちゃんと見ているよ、愛しているよ」ということを伝えるのは大事だが、経験を積む場面では手を出さず見守る。それが、親にできることなのだと思う。


その他にもスマホに対しての話や恋愛など、興味深い内容が沢山あった。子育て中の人はぜひ読んでみるといいと思う。


ではまた明日。