キャベツのにおい
晩ごはんを作っていた。キャベツをむいていた。
このキャベツは大変むきにくい。すぐに千切れる。まぁ、スープに入れるつもりだから、切る手間が省けると言えば省けるのだけれど。
ふと、鼻先をかすめたにおいがあった。キャベツのにおいなのだろうか。ぶわっと蘇る記憶。これは。
ウサギ小屋のにおいだ…!
小学校にはウサギ小屋があった。あったというか、途中でできた。私が高学年の時だったと思う。興味はあったものの、ウサギのお世話は私よりも下の学年が担当だったので、結局あまり関わりがないまま卒業してしまった。
とはいえ何度か立ち寄って、中に入ったこともあったと思う。たった数回の話。それでもにおいを覚えていて、思い出すものなんだなぁ。
当時、「ウサギ=にんじん」なイメージがあったので、キャベツを食べる姿に驚いた気がする。ウサギ小屋に関すること、1つ思い出すといろいろ思い出してきた。卒業以来、全然思い出すこともなかったのに。においひとつで思い出すって、人の記憶はすごい。
「キャベツのにおい」で検索してみると、「ウサギ小屋のにおい」と書いている人がぼちぼちいたりして。全然知らないどこかの誰かも同じように感じたことがあるのかと思うと、何だか面白かったのだった。
あのキャベツは早めに使い切ろうと思う。
ではまた明日。