ポイントは光るデジタル数字?30~40代女性に「使ってみたい」置き時計を調査
調査協力:株式会社誠時様
「使ってみたい置き時計」と「使ってみたくない置き時計」の違いについて「置き時計の印象調査 」を行った結果、30~40代女性にとって「使ってみたい」と思う置き時計には、いくつか特徴があることが分かりました。
一体どうしてこの特徴だと「使ってみたい」と思うのでしょうか?
この調査はこのような人におすすめ
デザイナーさん
企画開発者さん
思い込みに頼らない戦略を立てたい方
サービス企画において人の感性という視点を取り入れてみたい方
感性、印象の調査に興味のある方
1. 30~40代女性にとって「使ってみたい」置き時計は、こんなデザイン
様々な置き時計のサンプル20個に対して「使ってみたい・使ってみたくない」を5段階評価で30~40代女性に回答してもらい調査したところ、以下(図1)のようなデザインの置き時計が上位に選ばれました。
木、鏡面、マット素材などのマテリアルな要素が強い、シンプルな幾何形体のデジタル時計が多いですね。
2. 「〇〇〇」な置き時計を30~40代女性は使ってみたい?
「使ってみたい」について 相関 のある項目(図2)を調べてみると、「洗練された」「高級感がある」「先進的な」「流行的な」などの要素が「使ってみたい」にとって大切な印象であることが分かりました。4つともスコアが高く、強い相関関係があります。
反対に、「使ってみたくない」という印象を持たれる要素は、今回はないようです。
3. こんな「視点」で30~40代女性は置き時計を見ている
因子分析 で置き時計の印象の構造について調べると、「洗練された・高級感がある」「シンプルな」「ウォーム」に強い反応を示していることが分かりました(図3)。
これら3つを軸とした30~40代女性なりの置き時計に対する視点があることが、ここから読み取ることが出来ます。
(※「使ってみたい」は感性を測る言葉ではなく、目的的な言葉なので、今回の軸には含まないこととしています)
4. 置き時計の印象を決める「3つの軸」
強い反応が出た要素「洗練された・高級感がある」「シンプルな」「ウォーム・」に名前を付けます。
それぞれの要素の下に関連性の高い要素があったのでそれも考慮しました。
「洗練された・高級感がある・先進的な・流行的な」⇒「スタイリッシュ軸」
「シンプルな」⇒「シンプル軸」
「ウォーム・ボリューム感のある」⇒「マテリアル軸」
このように、3つの軸を導き出すことが出来ました。
この軸は置き時計を見る時の30~40代女性独自の「視点」であり、さらに置き時計の印象を決める重要な因子でもあります。
5. MAPで一目瞭然! 置き時計の特徴
置き時計の印象を決める3軸で作成した因子得点マップ (図5~7)に クラスター分析 (図8)の結果を反映し、サンプル写真をポジショニングすると、以下のようになりました。
印象の近い置き時計同士はグループ化され、マップ上に同じカラーで表示されています。
この因子得点マップから、置き時計の様々な印象の特徴が分かります。
6. 置き時計の印象には6つの方向性
因子得点マップのポジショニングから見て取れる様々な置き時計の印象を分類・整理すると、30~40代女性にとっての置時計の印象は、大きく分けて6つの方向性があることが分かりました。
以下はそれぞれ種類ごとに特徴をピックアップし、分かりやすいようにグループ名をつけたものです。(図8)
7. 「使ってみたい」置き時計の共通点
「使ってみたい」と相関が高かった「洗練された」「高級感がある」「先進的な」「流行的な」において得点が上位にきたサンプルをピックアップしてみます。(図9)
「使ってみたい」と相関が高かっただけあって、どれもランキング上位に入ったサンプルばかりです。中でもNo.8は「使ってみたい」と特に相関関係が高い「洗練された」「高級感がある」の2つにおいて得点がともに高いサンプルでした。
まとめ. 30~40代女性にとって「使ってみたい」置き時計
今回の調査では、「使ってみたい」置き時計ランキングと6つの印象グループとの関連性は見られませんでしたが、「洗練された」「高級感がある」「先進的な」「流行的な」という要素は、30~40代女性が置時計を選ぶときに「使ってみたい」と思わせていることが分かりました。
そして、ピックアップしたグループを考察することで具体的な特徴を抽出することが出来ました。(図10)
どんな印象のものを「使ってみたい」と感じるのかは、年代や性別によっても、時代によってもきっと異なります。調査ターゲットを変えてみると、どんな違いが出るのか……というのも興味深いところですね。
ではまたつぎのトレンドマガジンでお会いしましょう~!
調査概要
調査情報
調査方法:Web調査
解析の種類:因子分析+クラスター分析
調査地域:全国
調査対象者
条件性別:女性
年齢:30~39歳、40~49歳
調査配信:2022年4月
回収数:100件
調査パネル協力:株式会社アスマーク(パネル保持数:8万人。2022年4月現在)
調査実施機関及びキュレーション:ホロンズ株式会社
調査のやり方
さまざまな置時計の画像を20個(図11)
説明変数の「形容詞の対語セット(図12)」(置時計の印象の構造を調べるため)
目的変数に「使ってみたい⇔使ってみたくない(図13)」(「使ってみたいかどうか」と「置時計の印象構造の関係性」を調べるため)
これらを用意し、調査票(図14)を作成した。
モニターには、サンプル画像を1枚ずつ見てもらいながら、セットの言葉1つずつに5段階尺度で回答してもらった。
注)この調査では、価格や効果効能等の要素は考慮しておりません。
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