多摩川、荒川、富士川の最初の一滴。源流の山「笠取山」
今回は、多摩川の源流【水干ゾーン】にある、奥秩父は「笠取山」(山梨県)です。どれくらい奥深いかと言うと、山梨県塩山駅からバスで50分程かかる大菩薩嶺から更に車で30分以上奥に入った辺りです。カーブの多い細い林道なので運転に自信がある人向けの道です。
そんな奥深い所に綺麗に整備された登山道があります。そこは山梨県ですが東京都水道局が整備している「水源地ふれあいの道」多摩川の源流【水干ゾーン】です。東京都民は昔から多摩川の水を水道水に利用してきました。だから多摩川は都民にとって命の水なのです。明治時代、まだ東京都が東京市と呼ばれていた時代、多摩川の水が濁りだしたので調べてみたら、焼畑農業で木が伐採されていたのが水質汚濁の原因でした。そこで、多摩川の水質と水量を確保するため当時の東京市は、多摩川上流域の奥多摩(東京都)から奥秩父(埼玉・山梨県)にかけて、長年にわたって植林・整備し、広大な森を育ててきました。東京都水道局では、この森林がはたしている役割や自然を守ることの大切さを身近に感じてもらえるよう『水源地ふれあいの道』を整備して遊歩道として一般公開しています。今回の笠取山一帯は、多摩川の最初の一滴を探訪する源流であるため「水干ゾーン」と呼ばれています。
塩山駅からタクシー2台に分乗し、登山口の作場平に到着、登山スタートです。途中、笠取小屋でランチタイムとしました。トイレも整備されており素敵な場所です。小屋では源流水で入れた珈琲を販売してます。小屋の管理人さんが懐かしいレコードを沢山コレクションしており、昔の曲など色々と聞かせて貰いました。ビートルズ、サイモン&ガーファンクルに昔のアイドル歌謡曲と中高年にはどれも懐かしい青春の思い出ばかりの選曲でした。今日は日帰りですが、今度泊まりでじっくり聞かせて貰いますね。
小屋からしばらく歩くと笠取山が見えてきます。そこに荒川・多摩川・富士川の3つに分かれる分水嶺がありました。
水源の道を楽しんだ後、姿を見せた笠取山を見て愕然です。スキー場のゲレンデみたいな直登の急坂が山頂まで一直線に伸びています。ジグサグに登っても転げ落ちそうな急登です。富士山の「砂走り」より急勾配なので「下山は大丈夫!」と心配してしまいます。でも苦労しただけあって山頂からは奥秩父が一望できます。大菩薩も塩山側からでなく反対側(裏側?)から見た方が雄大な姿に見えます。
急勾配をピストンで下山するのは怖いので裏側を回って下山することにしました。岩場を登るとそこに本当の笠取山山頂がありました。一面にシャクナゲが咲いていました。小ぶりな花でした。
スリリングな岩場を楽しんだ後は、多摩川の最初の一滴、源流地「水干」を見学しました。
登りは一休坂分岐からハードな「一休坂」を選んで登ったので、帰りは楽ちんな「ヤブ沢峠」を経由し下山しました。作場平に呼んであったタクシーに分乗し、塩山駅に到着したところで解散しました。お疲れ様でした。
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