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大好きなザックについて

こんばんは。
小屋では、昨日のみぞれ混じりの雪が嘘のように晴れ渡る1日でした。
気温も5℃前後まで上がり、小屋の中ではたまに半袖になったりして、春の恩恵を受けています。

今晩は、自分の山でのスタイルについて、ウイスキーでも飲みながら書いていこうと思います。

古き良きバックパッカーへの憧れ

自分は小学生の頃にボーイスカウトに所属していて、一通りの野外行動をやっていました。
その時に見た、とあるアウトドア本の中に、今でも忘れることのできない衝撃を受けた本がありました。
それがこの、「バックパッキング入門」という本。

自分のアウトドアの原点であり、理想図。
この赤いザックを初めて見た時、全身に鳥肌立った〜!

'70年代、日本にアウトドアブームを起こさせた芹沢さんの一冊。
この2年前に発売された、日本アウトドアのルーツとも言える「遊歩大全」も出しているけども、自分はこの本を見て育ったようなもので…。
近年においてのバックパッカーはというと、飛行機や列車などの公共交通機関を駆使して移動し旅をするのが印象的。
しかし、この本にもある通り、'60〜70年代においてのバックパッカーは、衣食住の全てをその背中に担ぎ、その脚で歩き回る。
テントは帆布、衣類やシュラフはコットン、靴は重登山靴並みの重さとボリュームを備えた革靴。
総重量は30キロは越すんだろうな…が、それでも先人たちは自由に歩き、旅を続けてきた。
まさにこれを遊歩と言わずなんと言うか。

当時からやや懐古主義なところもあったと思うけれども、それを抜きにしても幼い頃の自分は、これこそが理想だと思っていました。
それはやがてロングトレイルや登山に結びつき、今でもそう思わされています。

フレームザックと、近年のギアと

相棒のケルティ、フレームパック。
近年のザックと比較して、とてもシンプルでそれでいて背負い心地がとても良い。
         熊野古道伊勢路にて。

そして3年前、ついにフレームザックを手に入れました。


フレームザックって、なんぞ?


と思う人も少なくはないはず。
山を登っていると、このザックを見て「歩荷さんですか?」と言われることもしばしば。
フレーム部分を見て、背負子に見えるんでしょうね。
これはKELTYのフレームパックと言われる、'70年代を代表するザック。
初めてこれを見た時には衝動買いしてしまい、帰りの電車では相当に目立ってしまいました。
が、後悔は全くありません。
その機構はやはり素晴らしく、50年過ぎの代物には思わせないスペックを発揮してくれています。

・ポリエステル素材でできた剛性の高さ
・未だ残ってくれている撥水コーティング
・2気室構造によるアクセスの良さ
・背面が肩甲骨と腰にしか無いため、蒸れが最小限の箇所でしかない。
・ザック部が背面上部にあるため、背負うのが非常に楽。


まだまだいいところはたくさんありますが、これを言い出すとキリがないので、ここら辺で。
半世紀以前の代物になるので、自分でもあまりにも古い代物だと思います。
ですが、古いなりにも使用者が如何に快適に背負える様、様々な工夫が施されているのがうかがえます。

10年ほど前から、アメリカ発祥のウルトラライト(UL)スタイルが日本でも流行り始めて、今ではあちこちでもよく見かけます。
シンプルに・軽く・スタイリッシュにと言う理念は、自分の中でも好きなスタイルです。
そしてオールドザックもまたシンプルでもあります。
が、なに分このご時世においては不便に思うことも少なく無いかも。
でもそれが好きになってしまったので…仕方がないですね。
不便を楽しむことこそがアウトドアの本質とも言えると思いますし、自分にはそれのがしっくり来ますね〜。


長々と書いてしまいましたね。
お酒も進めば文も無駄に多くなってしまうようで。

登山にも、もっといろいろなスタイルがあってもいいと思うんです。
今小屋で見かけるスタイルはと言うと、アルパイン系の方か、UL系の方かの二極。
最初は見ていて楽しかったですが、なんだかな〜〜〜とか思ってたりしてました。
稀に背負子で来られるお兄さんや、フレームザックでくるじいちゃんばあちゃんを見ると、とてもテンションが上がったりしてます。

そんなことを思う、今日の夜でした。
おやすみなさい〜。

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