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かんがえこと-40

4.10

まだだれもやってないこと、つくってないもの、という石が置かれてつまづく、知っていてつまづく、置いたのは自分、でも置かなくても見えない石は共通認識としてころがっていて。そうしてなにかのせいにして、溶けてゆく。

写真を撮っている自分、を見られるのが苦手、何を見ているのか、自分でもとらえきれないもの、を先にはかられているようで逃げたくなる、逃げるようにボタンだけ押して去る。今日だけは、無い目を盗んで、光るツリーだけ収める。

4.11

遠く坂の上から、視線の先には山手線、眺めて気づくビルはグラデーション、作ったひとだけがこの眺めを知っていた。淡く空に溶けてゆく。臆病なビーグル、きいてみたい、風ってしってる、とつぜんやってきて、去っていく。そうわたしみたいだね。世界平和とか幸福とか、大きなものが口をあけて待っている。わかりやすいことほど不確かなものはなくて。
縦に横に、無尽に行き交う運針、織り上げる、地上で地下で折り重なる、街区。
いつもの地下鉄出口にさしかかる。いつも通り階段を上がってきた私に、挨拶する。

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