十二月三十一日(日)

晴れ。

超寒い。昨日調べたバックパックの実物を見に行くことにした。じゃ着替えちゃおうかなんて感じで着替えをして出かける。何となく沖縄タウンを通って駅に向かうと行列が。時間はお昼。昼っても年の瀬だし、何よりそんなに繁盛しているランチのお店なんかこの辺りにはなかったはずだ。はずだったんだけど。3秒後に全てを思い出した。首里製麺が年末限定で復活していた事を。理由は不明だがここ1年くらい店が開くことは無かった首里製麺(本当は開いている日もあったのかも知れない)たしか改装が出来ていないとか何か理由があったのだが、どうやら今年で店を閉めることになってしまったらしく年末の3日間の限定で最後の営業をすると張り紙が貼られていたのをこの前の夜中の代田橋で見つけたことを思い出した。そしたらまだ飯も食べていなし食ってくかぁなんて2号と飯を食べることにした。行列は10人くらいだろうか、店内は満席で初代のオーナー自ら一杯一杯を丁寧に作っているのが伺えた。これは結構時間かかるかもなと覚悟しつつ列に並ぶ。思い出のためなのかSNSにアップしたいのか写真を撮りまくる男性。店主との知り合いっぷりをバイトの女の子に語る中年男性。座って文庫本を読む中年女性、待ち時間に痺れを切らせ怒り狂う彼女をなだめながら食べずに帰っていったカップル、空腹と電話の内容にイライラしているギャル。バックパックを見に行く予定が何となく並んでいる我々夫婦。好奇心、自尊心、空腹、怒り、様々な感情が入り乱れるラーメン屋の列は世の縮図だ。結局一時間弱並んで体の芯まで冷え切った我々もようやく入店。オリオン生を2杯と沖縄豆腐をまず頼み、メインの沖縄そばを頼む。2号は野菜すば、私は首里製麺を頼む。名店だというのは知っていたが、6年近く近所に住んでいながら実は今日が初来店。どんなものが来るのか全くの未知であり、未知と言っても沖縄そばなんだけど。とりあえずオリオンビールの美味いことこの上なし。ビールと豆腐で意外と楽しくなってきたところで遂に運ばれてきた沖縄そば。よっ、待ってましたって感じで食べてみる。2号の野菜すばはゴーヤや沖縄の葉っぱがたくさん入った緑の五本指って様相。私のはラフテーに海苔にてんこ盛りの労働者の様相。どちらもカツオベースの優しいスープなのだが、これに2号の場合、野菜の旨味と野性味が溶け込んだヘルシーだけどゴツイ野菜麺、私の方はラフテーの味を際立たせるためにスープが完全な引き立て役となった見た目に反して繊細なすばとなっていた。湯気がまだ出ているうちにお互い完食してしまい、今まで訪れていなかった事を少し後悔した。人生とは小さな後悔の連続で、今回も結局食べれているので本気の後悔ではないにしろまぁ年が明けたら、店はもうやっていないんだなと思うと寂しい。そして満腹すぎてちょっと気持ち悪い。歩いて代田橋に向かうと空には雲一つなく、切り裂くように寒い。電車に乗って新宿で降りてアウトドアショップを何件か廻る。結局探していたものは見つかったのだが使い勝手がいまいちだったので別に候補に挙がっていたグレゴリーのバックパックをネットで注文することにした。帰りにギネスとキルケニーを飲む。もうこれは血だと言っていいくらい体に馴染む。焼酎も日本酒も馴染む。要はすべてが馴染むのだ。体がフワフワしてきたので帰って鍋を食って寝た。

どうもありがとうございます。 今晩のおかずが増えまっす。