見出し画像

ウルトラランニング攻略のためのメンタル戦略

Mental Strategies to Break Down Long Distances

これから100kmや100マイルのトレイルレースに挑戦しようと思っている人や、長距離をうまく走りたいと思っている人はぜひ読んでもらいたいと思います。

自分が今まで走ったことのない距離や、未知の距離に挑む時、また、前にDNFした大会のスタートラインに立った時、不安や恐怖でいっぱいになる。

そんなときに、次の1−4の考えを理解し、前もって準備しておくことで、完走や上位入賞に近づける。

________________________________________

1、分割

臨床心理学者のロス博士によると、「人間の心は、7〜10個の情報しか保持できない。多くの情報を吸収しようとして、精神疲労からパフォーマンスが低下する。」と述べ、「この精神疲労を避けるには、分割することである。トレーニング、レースを小さな塊ごとに分割する。」と言っている。
自分が実際よりも少ない量しかやっていないと脳に思い込ませる。
100マイルを一気に走ると考えるのではなく、16kmを10回に分けたり、もっと細く分割するということだ。

2、栄養

スポーツ栄養士のリーブは「運動中のホルモン変化は空腹感を抑えるので、空腹の合図に頼るのは災いのもと」とし、「30分ごとなど、規則正しいスケジュールで食事をすることで、燃料補給を確実に行うことができる。」と言っている。また、彼女は次のジェルを出すタイミングを知らせるアラームをセットすることを勧めている。
さらに、リーブは味覚疲労を避けるために、補給食の味や食感を変えることを勧めている。 混ぜ合わせることで精神的なメリットもある。次の食べ物が楽しみで、それに向かって走り続けようという気になるように、補給食の選択肢を増やすことを推奨している。

3、エイドステーション

エイドステーションは、気持ちをリセットさせてくれるもうひとつの場所だ。
エイドの場所を把握し、エイドに到着するまでにモチベーションを高める。
トレイルランナーのコワルチックは、エイドステーションをほんの少しプッシュする合図として使うことで、結果を残すことに成功している。彼女はすべてのエイドステーションを、前の区間と切り離して考え、新しい次の区間を新鮮な気持ちでスタートする場所として捉えている。
サブリナ・ペース・ハンフリーズは、エイドステーションのリセットをさらに一歩進めたウルトラランナーである。彼女は268マイルまでの距離を完走するためにご褒美を頼りにしている。それぞれのエイド地点が、自分へのご褒美になる。「全距離のことを考えたことはない。」と彼女は強調する。「ゴールまでの長い距離のことを考えると疲れるから。小さな成功と感謝の気持ちでいっぱいにする。また、幼児から学べることがあるとすれば、プレゼントほど怒りや興奮を止めるものはない。自分の心を明るくしてくれるような何かを自分にご褒美としてあげる。

4、フォーカルポイント

おやつが待っているという刺激以上に、脳が精神的なものを必要としているのなら、その区間に何か具体的なものを与えよう。
エイドごとに異なるアプローチをとると、長距離を走ることによる精神的疲労と闘うことができる。
プロのウルトラランナーであるデヴォン・ヤンコは、周回コースを楽しんでいる。「例えば、レースの最初の1/3は音楽を聴かずに走り、次の1/3は音楽を聴いてテンションを上げ、最後の1/3はペーサーと一緒に走る。ペーサーがいないときは、いろいろな人が一緒に走っているのを想像する。」
ヤンコのようにループを走るにせよ、ポイントからポイントへ走るにせよ、それぞれの区間に、気分転換の方法を割り当てることで、新鮮に感じられるようになる。音楽や仲間と一緒に走る以外にも、野生動物の声に耳を傾けたり、自然の中で何色の色に気づいたかを数えたりすることで、心が満たされ、普段は気づかないような、新たな発見があるかもしれない。ただし、体が疲れているレース中に何をするのかを決めてはいけない。前もってどうするか、補給計画やギアと同じようにレースの準備手順に組み込んでおく

5、感想

・ウルトラランニングにおいて、精神面との戦いは切っても切り離すことができない。100マイルを走っている時に、誰しも「やめたい」「なんでこんなことを…」と考えたことがあると思います。私も2023年12月末のKyoto Grand Trailの100マイルでは、ロストしまくったり、夜中寒くて嫌になったりして、DNFが頭をよぎったが、「とりあえず次のエイドまで」を合言葉にしたら頑張ることができた。

・補給に関しては、アラームというのも一つの手段だと思う。私の場合、「補給は登りで歩きながらする。」と決めていたので、このアラーム作戦は、試してみる価値はあると思う。

・エイドや区間ごとに前もってどうするかを考えておくことは、過去の自分の失敗からもとても重要。レースのプロファイルを見て、この区間はこうする、ここのエイドではどうするなど、言語化をして計画立てておく。また、紹介されたヤンコのループに関する考え方も興味深い。今年四国初開催の100マイルは、周回コースだったので参加する予定がなかったが、この考えで挑んでみようと思ってきた。

・負の感情は、なにも生み出さない。いかにプラスの感情に持っていくか、気持ちを切り替えるかがウルトラトレイルでは大切。

・2023年に100マイルデビューをしたので、去年は何も考えずにとにかく楽しむの出たとこ勝負でレースに参加していた。今年2024年は、しっかりと準備をして、勝負するって気持ちで挑みたい。逆に、いろいろと考えすぎて精神疲労を起こす可能性もあるが、それも試行錯誤として経験するのは大事。広島湾岸とMt.Fujiが楽しみ!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?