ビーツの寿司風
ここ数年、ガストロノミーレストランで流行した料理に「ビーツの寿司」があります。日本人的には「?」が頭に浮かぶ不思議な寿司ですが、ビーツのビビットな赤い色と若干、鉄っぽい風味がすし飯と調和します。
ビーツの色素は付着するとなかなか落ちません。ですから手袋をして、まな板の上に はオーブンペーパーなどを敷きましょう。
このビーツ、硬いので基本的には火を通して食べます。今回はカブなどと同様に頭とお尻を落とし、皮を剥いています。
火の通し方には色々とありますが、今日は茹でます。今回は茹でる際に
赤ワインビネガー 20cc
グラニュー糖 40g
を一緒に加えます。ちなみにオリジナルレシピを発案したアルページュのアランパッサール氏は「野菜は基本的に丸のまま(entier アンティエ)で火を通。そのほうが味が逃げないから」という主義で、皮は剥かずに塩水で茹でています。味だけを考えるならたしかにそちらがベストですが、酢を加える事で色がきれいにでます。
軽くかぶるくらいの水を加えて(写真は水が少ないですね)
紙蓋をします。沸騰するまでは強火で、沸いたら弱火に落としましょう。四十分くら い火を通します。
四十分、経ったものがこんな状態。ビーツをそのまま冷まします。
ちなみにこの茹で汁。とろみがつくまで煮詰めるとソースになりますので捨てないように。皮を剥いたのはこのソースが作りたかったからなのです。
きれいな色の甘酸っぱいソースになりました。ビーツの香りとビネガーの酸味、それ に砂糖の甘味のバランスが焼いた魚にもあいますし、フォアグラや野菜料理にもあいます。
おまけのソースはともかく寿司に添えるソースをつくりましょう。黒オリーブペーストが大さじ1、オリ ーブオイルが大さじ2、パルメジャーノチーズが少しと、レモンの皮のすりおろし、レモン汁小さじ1を混ぜあわせてソースにしました。
火が通ったビーツは皮を剥き、薄切りにしておきます。ちなみに右側は皮を剥いて酢 を入れた液体で茹でたもの、左側はまるごと酢を入れないで茹でたものです。皮を剥 いて、酢をいれたほうが色合いがきれいです。
炊きあがったご飯(今回は2合)に
米酢 60cc
砂糖 大さじ3
塩 大さじ2分の1
を混ぜあわせたすし酢をまわしかけて、切るように混ぜてすし飯をつくります。それをスプーンを二本使ってアイスクリームを盛りつけるようにクネルの形に成型します。
お皿に盛りつけ、酢飯にソースを少し載せます。そこにビーツの薄切りを重ねてきま す。ちょっとスライスが厚かったようですね。
コリアンダー、または長ネギのスライスなどの香草で風味をつけます。さらにソース をビーツに少しかけて、フルールドセルで味をつけていきます。
日本人にはちょっと不思議な感じですが、先入観を捨てて味わえば意外と悪くない味です。
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!