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圧力鍋を使ったテクニック『カラメルニンジンのポタージュ』

最新調理テクニック紹介でとりあげた『カラメル化』の応用編です。圧力鍋を使ってカラメル化させたニンジンでポタージュを作ります。

カラメル化させたニンジンのポタージュ
 ニンジン   500g
 バター     80g
 塩       4g 
 重曹      2.5g
 ニンジンジュース 300cc
 オプション ギリシャヨーグルト バジル
       生姜のみじんぎり 花山椒 茹で野菜

レシピの元ネタは『modernist cuisine』の『カラメル化したニンジンのポタージュ』です。2011年に出版されたmodernist cuisineという本に掲載されたレシピのなかで「最も有名になった料理の一つ」と著者のミアボルトは話しています。元ネタよりも塩味を控え、カロチンバターを抜き、ニンジンジュースをクラリフェする工程を省いています。注意点は『カラメル化したカボチャのピュレ』と同じです。難しい料理なので参考程度に。

まずはカラメル化から。ニンジンは4等分にし、4.5cm〜6cmに切っておきます。modernist cuisine teamはニンジンの芯をカットするようにすすめていますが日本で栽培されているニンジンは苦みの少ない品種なのでそのまま使っています。

中火にかけた鍋でバターを溶かします。

ニンジンを投入。

全体を絡めたら。

塩と重曹を加えます。バターの水分も重要なのでここまでは手早く。

蓋をして圧力をかけていきます。火はここで強火に。

圧力がかかったら弱火に落として20分間です。

10分、15分経過した時に鍋を慎重に揺すって、底が焦げるのを防ぎます。カボチャの場合は水を加える必要がありましたが、水分含有量の多いニンジンの場合は加える必要なし。ただ、ニンジンの状態によっても変わるので焦げるようであれば水を足せばいいでしょう。

そのあいだにニンジンからジュースを絞ります。だいたい600gのニンジンから半分の量のジュースが絞れます。

元ネタではこちらを火にかけて沸騰させた後、遠心分離機にかけてクラリフェしています。沸騰させたニンジンジュースを一晩置き、さらしで漉しても同様に澄ませることができますが、今回は省略しました。

20分経ったので水で冷やします。

鍋の中はこんな状態。ニンジン自身の糖分がカラメル化(しつこいようですが実際はメイラード反応です)しています。アルカリ性で煮ることでペクチンが分解するため柔らかい仕上がりに。

ニンジンのジュースとともにミキサーにかけます。カロチンバターを加えるならここで投入。

バターが乳化し、クリームや牛乳を一切加えていないにも関わらず非常にクリーミーな仕上がりになります。

ここから先はオプションです。皿に水切りヨーグルトかミキサーにかけて滑らかにしたリコッタチーズを絞ります。フロマージュブランでもいいと思います。

上に生姜のみじん切りを載せ、その横に浮き実になる茹でた野菜を添えます。さらにアクセントに花山椒とバジルの新芽を載せました。

さきほどのスープを注げば完成です。スープ料理は味にアクセントが乏しく、食べ飽きてしまうので、つけ合わせには工夫する必要があります。一口食べるごとに香りや味に濃淡があるのが理想。カラメル化することでニンジンとは思えない複雑な味に仕上がりますが、ニンジンのピュレをニンジンのジュースで伸ばしたニンジンのポタージュはある意味、究極のニンジンのポタージュと言えるでしょう。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!