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料理の基本

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基本的な料理を丁寧に解説します
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2018年12月の記事一覧

鍋磨き&木の道具の手入れ

今年も年が終わります。台所の大掃除をすると思いますが、鍋磨きもしましょう。 アルミ鍋やステンレスの鍋を洗うにはスチール系のたわしが一番。業務用の定番、調理場でおなじみのボンスターを使います。レモンを入れて沸騰させたり、とかテクニックはいろいろありますが、物理的にきれいにするほうが楽。 昔は磨き砂(歯磨き粉みたいな粉です)を使っていたので、大変でしたがこれの登場によって鍋磨きが劇的に楽になりました。 少々、くすんだ鍋を磨いていきます。 手が荒れるのでビニール手袋をしたほ

おせち料理『たたきごぼう』の作り方

昨年も紹介したおせち料理。今年はそれにプラスして、『たたきごぼう』の作り方です。というのも関西風の三種肴(これさえあれば後はお雑煮だけでいい、というミニマルなお節)は数の子か黒豆の代わりにこのたたきごぼうが入るから。コストがかかる数の子か、時間のかかる黒豆を外せばおせち作りも楽です。(お煮しめは気分でつくってください) ごぼう 150g〜200g相当(1本くらい) 酢    大さじ1(茹で湯用) いりごま 大さじ3 醤油   大さじ1 酢    小さじ1 みりん  小さじ1

さわらの西京焼き

さわらの西京焼きは冷蔵庫で保存できるのでつくっておくと便利です。秘密の材料は「甘酒」。西京焼きは西京味噌という麹の割合の多い味噌をつかうのが本式なのですが、実際には西京味噌として売られていてもそれほどの品質ではない味噌も。そこで麹と米の混合物である甘酒を混ぜることで味を安定させることができます。 さわらの西京焼き さわら   塩    重量の1% 西京味噌 100g(普通の米みそでも大丈夫) 甘酒   50g(濃縮タイプ) さららですが、あらかじめ半分に切っておいたほうが

カボチャのスープの作り方

カボチャのスープをつくります。以前もカボチャのクリームスープを紹介していますが、あれはロブションさんのレシピ。今回は僕が普段、つくっているレシピで、元ネタはアラン・パッサールさんのレシピです。ロブションスタイルとは違い、動物性のブイヨンが入らない点に特徴があります。上にローズマリーの香りをうつしたミルクの泡を載せました。お客さんに出す時は生クリームベースのムースを浮かべたりします。 カボチャ 300g 牛乳   400cc バター  20g オリーブオイル 大さじ1/2 ロ

リンゴをおいしく食べるには縞に剥く

食後のデザートにちょっとリンゴを切って、と頼まれることもあるのでは? と思い、リンゴの切り方をご紹介します。コツは皮を少しだけ残すこと。リンゴの風味は皮にあるのです。 まずはおいしいリンゴを選ぶことから。りんごは手に持って締まった感じのものがいいでしょう。ハリがあっておしりが丸くなっているのがおいしいリンゴです。ちなみに鮮度がいいと手で割れます。 ペティナイフを使って頭からぐるぐると皮を剥いていきます。 この時、少しだけ皮を残すようにするのがポイント。 料理用語でいう

キャベツの千切りの基本

たまねぎのみじん切り、基本と応用 ジャガイモの皮剥き、基本+α パセリのみじん切りの基本 オレンジの切り方の基本 に続く切り方の基本シリーズです。今回はトンカツやコロッケ、生姜焼きに添えるキャベツの千切り。ちなみに冬キャベツは持って重いものがおいしく、春キャベツは持って軽いものがおいしいです。 キャベツの千切りは調理師学校の多くが試験課題にしています。今は機械で切ることがほとんどなのですが、手で切れるに越したことはありません。 まず4分の1にカットするところからはじまり

ビーツの塩釜焼き

フランス、パリにあるレストラン、arpageは野菜料理の名店。いくつかあるスペシャリテのなかでも、見た目のインパクトが抜群なのが、このビーツの塩釜焼きです。今では世界中のレストランで真似されています。 シェフのalain passardさんはもともと、肉料理の名人として知られていました。肉料理の調理法を野菜に置き換えたのがこのビーツの塩釜焼きです。 今日はイエロービーツを使っていますが、普通の赤いビーツでも同様に作れます。 塩はオリジナルレシぷに習って、贅沢にゲランドの

豆の甘煮の作り方

乾燥豆は食卓からすっかり姿を消した食材の一つ。しかし、たまにつくるとなかなか楽しめる料理(甘味?)です。 今日はとら豆という豆を使いました。花豆でも、青えんどう豆でも、白いんげん豆でも使い方は同じ。 乾燥豆  200g 砂糖   120g〜150g   昔は豆と同量の砂糖で煮るのが基本でしたが、いくらなんでも甘すぎるのでかなり控えめにしています。保存を考えるなら同量で煮てください。 まずは豆を一晩水に戻します。 一晩、経ったらこんな状態です。 つけておいた水を捨て

冷凍パイシートを使ってミルフイユづくり

今回は冷凍パイシートの使い方をマスターします。 一昔前まで冷凍パイシートといえばマーガリンやショートニングを使った風味に乏しいものが多かったですが、最近はバターを使った製品が主流になりました。さすがに手作りよりも風味は劣りますが、便利です。 色々と試食してみましたが、パイシートはメーカーによる味の差はそれほどないようです。写真の冷凍パイシートはニュージーランド、BELLAMYS社のもの。 ところで今回はミルフイユ(ミルフォイユ)をつくりますが、いきなりですが冷凍パイシー

洋梨の赤ワインコンポート

洋梨のシーズンです。僕は洋梨が好きでよく使います。一番、おいしいのはまるごとロースト、だと思うのですが、デザートして提供する場合には作り置きできた方が楽なのも事実。そこで今日はコンポートにします。 洋なしの赤ワイン煮(コンポート) 洋なし   2個 赤ワイン  1本 砂糖   100g レモン  半分スライス シナモンスティック まずは赤ワインの選択から。コンポートには写真のような安いワインを使うことが多いですがそれなりのコシがあるワインを使ったほうがおいしくはできます。

お刺身は一塩の手間でもっちり美味しく

お刺身は切った状態でも販売されていますが、家で食べる直前に切った方が美味しく食べることができます。(ただし、それなりに切れる包丁が必要です) こんな状態で売られていますが、この切り身を『柵』と言います。パックのまま冷蔵庫に入れると、魚の表面(及びトレイの下に保鮮シート)に溜まったドリップに細菌が繁殖し、臭みが出ることがあります。そこで家に帰ったら一度、トレイから外すのがベター。 こういったシートで魚を包みなおしてから、さらにラップで包みます。ラップだけだと内側についた水分