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おせち料理『たたきごぼう』の作り方

昨年も紹介したおせち料理。今年はそれにプラスして、『たたきごぼう』の作り方です。というのも関西風の三種肴(これさえあれば後はお雑煮だけでいい、というミニマルなお節)は数の子か黒豆の代わりにこのたたきごぼうが入るから。コストがかかる数の子か、時間のかかる黒豆を外せばおせち作りも楽です。(お煮しめは気分でつくってください)

ごぼう 150g〜200g相当(1本くらい)
酢    大さじ1(茹で湯用)
いりごま 大さじ3
醤油   大さじ1
酢    小さじ1
みりん  小さじ1
砂糖   小さじ1

ごぼうは土付きのものを購入し、たわしでよく洗います。包丁の背で皮をこそいでもいいのですが、皮目がおいしいのでややもったいないか、と思います。

写真の量で160gです。目安にしてください。本来のたたきごぼうはやまごぼう(あざみの根)を使うのですが、普通のごぼうでもまったく問題ありません。

15cm〜20cmくらいに切り、それから半割にしたあと、縦に3つに割ります。太いものは割り箸の太さくらいの棒状に切ります。

水に1分間さらします。通常はさらす必要はないのですが、お節に限ってはきちんと味を抜いていきます。この味を抜いていくのが日本料理の肝。

日本料理、素材を活かす料理と思われがちですが、実際の調理過程は素材をバラバラにして、アクを抜き、水にさらし……という具合に味を抜いていき、出汁やら醤油やらといった発酵調味料の旨味をガンガンに足していく『引き算+足し算料理』です。素材を100%使い切る構造を持つ西洋料理とは対極にある気がしますね。このあたりについてはまた別の機会に書きます。

鍋にたっぷりの湯を沸かし、酢を大さじ1加えます。酢を加えることでごぼうが白く茹で上がります。5Lの水に対して大さじ1までならギリギリ効果があるので、とにかくたっぷりの湯(この鍋だと2Lくらいです)に大さじ1と憶えておきましょう。家庭には5Lが入る鍋なんてないでしょうから。

沸点を維持する火加減で3分間、茹でます。

ザルにとって冷まします。この時、少量の塩を振るといい、という人もいますが、今回は省略。

すり鉢がいきなり出てきました。すり鉢がなければ炒り胡麻ではなく、すりゴマを買ってきて使ってください。あるいはゴマペーストでもOK。後者の方がコクが出ます。

調味料を入れてペースト状にします。このたれは鯛の茶漬けにも使えるので憶えておくと便利かも。みりんは少量なので煮切る必要はありません。

茹で上がったごぼうを木の棒などでコンコンと叩いて、繊維を潰します。これがたたきごぼうの名前の由来です。

きっちり5cmにカットします。

あとはよく和えるだけ。和え衣はかなり固めにしておくとお重に盛り込む時にタレがにじんだりしません。

渋い料理です。ちなみにこれは関東風のたたきごぼう。関西ではゴマをすり、三杯酢(砂糖が入ったあわせ酢)で伸ばして和えます。さっぱりした関西風とコクが強めの関東風という感じの料理です。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!