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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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#肉料理

目指せフォアグラ、鶏レバーのパルフェの作り方

前回、ご紹介した鶏レバーペーストの別バージョンという感じの『鶏レバーのパルフェ』の作り方です。パルフェというのは聞き慣れない言葉か、と思いますが、デザートのパフェと同じでふんわりとしたクリーミーな感じをあらわす名前です。一時期、こういうデザートの仕立てを料理にするのが流行った時期があったんですが、その名残です。昔、僕が青山にあるお店で研修していたとき、フォアグラのテリーヌを裏ごしして、泡立てた生クリームをあわせた〈フォアグラのパルフェ〉をよく作っていました。(材料がすべて出来

ローストチキン、新しい縛り方

クリスマスにローストチキンを作ってみよう、という方もいるか、極上のローストチキンを作ろうと思ったら、前日からの準備が必要です。鶏肉は焼く前に砂糖が入った塩水に漬けたほうが上手に焼けます。これをブライニングといいますが、これによって加熱中に失われる水分を補えるので、肉がしっとりとします。 〈一日目〉 まずは鶏をしばりましょう。縛る目的は形を整え、火の入り具合を均一にすること。基本的な縛り方は別の機会に見せますが、今回はちょっと変わった縛り方をご紹介します。北京ダックの縛り方

鶏胸肉のオレンジソース

先日、つくった謎の付け合せウーフィレのために、鴨肉の代わりに鶏肉を使ったオレンジソースの料理もつくりました。僕のオレンジソースはオレンジュースを煮詰めて、バターでとろみをつけて、醤油を加えたものが定番なのですが、今回は真面目にガストリックを使ったクラシックな仕立てです。 鶏胸肉 1枚 塩   適量 オレンジソース オレンジ 3個(つけ合わせ含む) グラニュー糖 大さじ2 赤ワインビネガー 大さじ2 ブランデー 大さじ1 ブイヨン 300cc バター

アメリカ産牛肉のステーキ

ステーキの焼き方には人それぞれ。一般的に知られているステーキの焼き方は『フライパンを中火に熱し、ステーキ肉を入れる。焦げ目がついたら裏返し、火を弱火に落として好みの加減まで火を通す。肉を裏返すのは一度きりにする』というもの。最近では科学的な焼き方として『低温調理』が紹介される機会が増えました。低温調理はたしかに優れた調理法ですが、本当に〈科学的〉に正しいステーキの焼き方なのでしょうか? 今日はアメリカ産のステーキ肉を焼いていきます。この焼き方はハロルドマギーのメソッドをベー