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目指せフォアグラ、鶏レバーのパルフェの作り方

前回、ご紹介した鶏レバーペーストの別バージョンという感じの『鶏レバーのパルフェ』の作り方です。パルフェというのは聞き慣れない言葉か、と思いますが、デザートのパフェと同じでふんわりとしたクリーミーな感じをあらわす名前です。一時期、こういうデザートの仕立てを料理にするのが流行った時期があったんですが、その名残です。昔、僕が青山にあるお店で研修していたとき、フォアグラのテリーヌを裏ごしして、泡立てた生クリームをあわせた〈フォアグラのパルフェ〉をよく作っていました。(材料がすべて出来上がっているので、若い子にも任せやすい仕事だったと思われる)

このあいだのレバーペーストに泡立てた生クリームを混ぜ合わせてもいいのですが、今回のレバーのパルフェは卵と一緒に湯煎焼きするタイプです。このあいだのレバーペーストよりも卵が入っている分だけ、ふんわりと仕上がります。

材料
鶏レバー  100g
卵     大1個
にんにく  1片
玉ねぎ   1/4個
マディラ酒 25cc
ブランデー 25cc
溶かしバター 100g
塩     4g
コショウ  適量

まず、レバーは表面を水で洗います。太い血管が縦に走っていますので、それをめがけて半分にするといいでしょう。レバーの血抜きにはいくつかの方法がありますが、実際には血が抜けるのは表面だけなので(ガストロバックという減圧装置を使えば別ですが)それほど神経質になることはないか、と思います。

牛乳につける人もよくいますが、臭みがマスキングできるのは限定的なので、鮮度のいいレバーをつかうことのほうが血抜きよりも重要。スーパーで鶏レバーをみる時はつやつやしたものを選びます。また、レバーには心臓がついていることがありますが、その場合はとりのぞいて別に使います。

このあたりは前回、紹介した通り。このあいだのように牛乳入りの塩水に浸けたほうがいいか、と思います。オーブンを120℃に余熱しておきます。

フォアグラの味に近づけるために贅沢にお酒を2種類つかいます。ブランデーはポピュラーですが、マディラ酒が入るとぐっと高級感が出ます。手に入らなければブランデーだけでもOKです。

今回は甘味出しに玉ねぎを使っています。玉ねぎをにんにくを分量外のオリーブオイルでしんなりするまで炒めて、ブランデー、マディラ酒を注いで煮詰めます。

水分がなくなるくらいまで煮詰めたら、冷ましておきます。このあいだのレバーペーストを一度つくってもらうとわかると思うんですが、必ずしも必要というわけではないんですよね。思い切って材料を省いて作ってみると、省いた材料が果たす役割がよくわかるか、と思います。

前回よりも多い、大量のバターが入ります。ちなみにフォアグラの脂肪分は50%。鶏レバーをフォアグラに負けないほどに化けさせるには、これくらいのバターを入れる必要があるのです。

水気を切ったレバーとさきほどの玉ねぎ、卵をミキサーにかけ、溶かしバターを糸のように入れ、混ぜ込んでいきます。

血管が残るので、濾しましょう。これでなめらかになります。

耐熱容器に入れて、湯煎にかけた状態で120度のオーブンで40分間加熱します。火が通ったら冷蔵庫へ。バターが入っているので、冷やせば固まります。

提供する前に砂糖を振って、バーナーで炙って、表面をカラメリゼしても。メルバトーストを添えて提供します。冷蔵庫で3日〜3日は持ちますが、このあいだのレバーペーストよりは賞味期限が短いです。

撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!