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料理好きのための21世紀料理教室

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低温調理、エスプーマをはじめアルギン酸のカプセルなどの分子料理のテクニックを解説していきます
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2020年4月の記事一覧

ビーク(?)ストロガノフの作り方

ビーフストロガノフはロシア料理の花形。ストロガノフというのは貴族の名前からつけられたらしいのですが、由来はたしかではなく、研究者のあいだでも意見が分かれるところ。 いかにも歴史がありそうな料理ですが、広まったのはソ連時代。意外と歴史の浅い料理なのですが、面白いのは貴族=ブルジョワの料理が名前も変わらずなぜか共産圏で残ったという点。プロレタリア的にはどうなのか、という点を置いても愛されたのは味の決め手となるサワークリーム(ロシア風にいうとスメタナ)のおいしさのおかげかもしれま

食のデザイン『丸いプリンと四角いプリン、どっちが甘い?』

昨日は四角いプリンのレシピをアップしました。 さて、この四角いプリン。ちょっと甘さ控えめに感じませんでしたか? 丸いプリンと四角いプリンは同じ配合でも、感じる味が異なります。こうした現象を研究している人がちゃんといまして、オックスフォード大学の心理学者で研究者のチャールズ・スペンスさんが有名です。(『おいしさの錯覚』KADOKAWAという邦訳の本もあります) 味と形状の研究は小規模な実験室レベルでは行えるものの、大規模な被験者相手を対象とした実験デザインがなかなか難しい

謎野菜シリーズ『マイナーズレタス&カーボロネロの花』

謎野菜シリーズです。いよいよ普通のスーパーでは売られていない野菜になってきました。今回、ご紹介するのは『マイナーズレタス』。 まずは観察。マイナーズレタスは別名『冬スベリヒユ』。マイナーとは知名度が低い、ではなく、minerつまり鉱夫の意味。スベリヒユという名前からもわかるように雑草として生えている地域もありますが、食用としても栽培されています。 葉っぱの形がハート形でかわいいです。やっぱりスベリヒユなので、加熱すると粘りが出てきます。なので、生のまま食べるのが正解。ザク