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2年ぶりに本州へ(丘珠⇒新潟)

急遽、地元に帰らなければならなくなった。
普通の会社員ならば難しいことだが、私はフリーランスであり、しかも最近は仕事があまりなく暇だったので、その点では特に問題はなかった。

しかしながら、川崎から札幌に移住してからの約2年間、一度も北海道から出ていなかったので、突然の帰省に少し緊張している。

数日前の記事でも書いたが、最近は札幌に住み続けること自体に疑問を感じ始めていて、近いうちに本州へ帰ることも視野に入れた協議を始めることになっていた。
そんな中、急に地元に帰ることになったというのは、何か不思議な感じがする。

私の住む札幌から地元の新潟に行くには、飛行機かフェリーを使う必要がある。
交通費を考えるとフェリーの方が良いのだが、今回は突如として予定が決まったので、飛行機を利用することになった。
新潟と札幌を結ぶ飛行機は、日航と全日空、そして最近就航を開始したトキエアがある。

トキエアを使えば、わざわざ新千歳空港に行かずに本州まで出ることができる。しかも運賃も安かったため、今回はトキエアを選ぶことにした。


トキエアのフライトを予約

公式ウェブサイトからフライトを予約する。

トキエア公式ウェブサイトより

最も運賃の安い「トキトク」は既に売り切れていたため、少々高いが片道16000円の障害者割引を利用することになった。
(「トキユニ」なら12000円ちょっとで乗れたが、残念ながら23年の夏で私は25歳以下の枠から外れてしまった。)
トキエアの支払い方法はクレジットカードオンリーとなっている。
LCCなので、余計な経費を作らないための工夫の一つであろう。

(LCCはしばしば「格安航空会社」と言われるが、正確には"Low Cost Carrier"、つまり「低費用航空会社」であり、費用を抑えることで低価格を実現している)

予約したら、次はチェックインをする。
Webチェックインをしようとしたら、障害者割引だからなのか上手くいかないので、翌日空港カウンターで手続きをすることにした。

夜、色々なことを考えてしまいなかなか寝付けず。
私は明日新潟に帰るわけだが、新潟の人々のマナーが札幌のそれよりも著しく優れていたら、きっと札幌に戻るのが憂鬱になるだろうなあとか、
そもそもなぜ俺は札幌に住んでいるのだろうかとか、答えのない疑問が湧いてきていた。
(私の地元は田舎なので、大都市の札幌と単純に比較することは難しいが)

札幌丘珠空港⇒新潟空港

5月18日土曜日、朝7時頃起床。
カバンに最低限のモノを詰め込み、冷蔵庫に残っている食べ物をできるだけ食べ尽くして、牛乳も飲み干す。
2年前は北海道中を旅行していたから、準備はお手の物だ。

空港に行く前に、図書館に行って読んだ本を返しておこう。
飛行機で読む用の本を持っていこうか?一応1冊だけ入れておくか。

飛行機に乗るため、札幌市東区の丘珠空港に向かう。
前も書いた通り、丘珠は以前しょっちゅう訪れていた地域であり、22年の北海道旅行で丘珠⇔函館のフライトを利用しているので、私にとってはよく知っているエリアである。

丘珠空港は市営地下鉄東豊線の栄町駅新道東駅から近く、徒歩20分くらいでアクセスすることができる。
路線バスや空港連絡バスも通っているので、公共交通だけでアクセスすることもできるが、慣れている人なら徒歩でも問題ないだろう。

丘珠空港への道のり

今日はかなり暑い。
上着を着てくる必要はなかった。

丘珠空港
空港内カウンター

丘珠は非常にこじんまりとした空港になっていて、新千歳と比べると100倍くらいの規模の違いがあるのではと思わせる。
とはいえ、最近はトキエアの新潟、北海道エアシステムの秋田、中標津、FDAの小牧など、新規路線が続々と登場しており、勢いを増している空港でもある。

カウンターの営業開始時刻である10時45分まで待機する。
周囲には、私と同じくトキエアを利用すると思われる人が複数人、他にはHACの三沢行きやFDAの松本行きの乗客もいた。

カウンターで手続きをしたら、昼飯を食べる。

空港内には「丘珠キッチン」という飲食店が入っていて、地元で採れた玉ねぎを使った「丘珠カレー」という名物料理をいただくことができる。

可能であれば昼飯は新潟市万代で「バスセンターのカレー」(札幌に2年住んでいると、「バスセンター」=札幌のそれを想像してしまう)を食べたかったが、トキエアのダイヤの都合でそれは難しかった。

券売機が現金のみ対応だったので、少々手こずった。

丘珠カレー

まあ、丘珠カレーも大変美味しいので、特に問題はない。
カレーを受け取る際、福神漬けをこぼしてしまったので、申し訳ないと思いながら黙々と食べ進める。

その後は保安検査まで待機。

空港内休憩スペース

休憩スペースの椅子が妙に硬く、尻が痛くなる。
来たる初トキエアを前に、緊張で胸の鼓動が高鳴る。

保安検査場を通り、待合スペースへと進む。
今までは、帰省する際には必ずノートパソコンを携帯していったものだが、愛用していた頑丈なレッツノートを昨年秋に壊してしまい、今使っているパソコンはサイズが大きくてカバンに入らないので、今回はスマホだけ持ってきた。
地元滞在中は仕事ができないことになってしまうけれど、今は暇だから別に良いだろう。
それに、先のことを考えられるほど私のメンタルは強くはない。

前回丘珠から函館に行った際は、待合室がサラリーマンだらけで気分を害されたものだが、今回はどうだろうか。

土曜日なので、家族連れや行楽客、学生のグループが多く、リーマンはほぼいなかったので良かった。

久しぶりの保安検査だったので緊張した。
丘珠12時15分発の、新潟行きBV102便に乗り込む。

飛行機に乗り込んで早々、頭をぶつけた。

機内より撮影

私の隣の席は空いていたが、他はだいたいが埋まっていて混んでいた。
機内では、新潟県の企業亀田製菓のお菓子、ハッピーターンが振る舞われた。
揺れはそこそこあり、到着直前になると少し酔いそうになった。

新潟空港にて

定刻よりも20分も早く新潟に着いた。

新潟空港にて

新潟空港⇒JR新潟駅

新潟空港バス乗り場

札幌市東区からここまで1時間半で来ることができた。
ここからが長い。

新潟空港からは、バスでJR新潟駅へと向かう。
ちょうど13時45分のバスがあったが、混んでいたので見送る。
25分後の14時10分発に乗ることに。
バス待合所には中国人らしき外国人観光客の姿も見える。

空港連絡バスは交通系ICカードが利用可能。
政令市だから当たり前と言えばそうだけど、日本有数の観光地函館の空港連絡バスが交通系ICカードに対応していないことを考えると、新潟はかなり先進的な地域のように思えてくる。

バスは空港から新潟駅まで直行するタイプで、万代シティなどには停車しない。
バスの車窓からは、北海道にはない瓦屋根の家々が見え、本州に帰ってきたことを実感する。
約20分ほど乗車し、終点のJR新潟駅に到着。

JR新潟駅⇒上越地方へ

新潟駅に来るのは2022年3月以来、約2年2か月ぶり。
最近新しくバスターミナルが整備されたそうで、見ないうちにどんどん進化を遂げている。

最近リニューアルされた、駅中商業施設

駅バスターミナルでは、バス専用道路を歩行者が横断してしまうことが問題になっているらしい。

札幌駅にあったバスターミナルには、横断歩道と遮断機が設置されていたから、新潟も同じようにすることはできないのだろうか?

新潟県のデカさについて

北海道には敵わないが、新潟県は非常に面積の大きい県であり、県内を移動するだけでかなりの時間がかかる。

特に県の大きさを痛感するのは、新潟市から上越地方の中心地上越市へ移動するときで、高速バスやJRの特急でも片道2時間以上もかかってしまう。

北海道でたとえると、札幌から旭川や俱知安、登別へ行けるくらいの時間である。

新潟市から片道2時間というと、新幹線を使えば東京まで行けてしまうわけだから、上越が如何に遠いかが分かるだろう。
それゆえか、同じ県に属しているのにもかかわらず、新潟市の人も上越市の人もお互いを他県であるかのように見なしてしまうこともあるようである。
上越地方(妙高市)出身の有名YouTuberヒカキンも、上京するまで新潟市へ行くことがなかったぐらいである。

まあ地理的な制約はどうすることもできないのだが、ではなぜ県庁所在地が新潟市に置かれたのか、これが疑問だ。
明治時代になり、新潟港が国際的に開かれたことがその主要因だろうが、江戸以前は上越地方の方が栄えていたことを考えると、非常に口惜しい気分になる。

なぜなら、もし新潟県の県庁所在地が上越に置かれていれば、私の地元は今よりも遥かに都会だったはずだからである。
もし私の地元が都会だったなら、札幌に来ることもなかったのだ。

そんなことを言ってもしようがない、歴史にifなどないから。
さっさと新潟駅から上越地方に向かうとしよう。

新潟市から上越市への移動手段

新潟市⇔上越市を公共交通機関で移動する場合、JRか高速バスを使うことになる。

地元民に人気なのは高速バスで、安くて速く、かつ市内の色々な場所に停車するからであるが、JRが大して速くないのに高すぎるというのが大きい。
かつて(北陸新幹線金沢開業以前)は、運賃だけ払えば乗車できる快速「くびき野」という列車があり、これが非常に便利だったそうだが、現在は廃止されてしまった。

その代わりとして、(正確には新潟と金沢を結んでいた特急「北越」の代替)特急「しらゆき」が新設されたが、特急なので割高になってしまい、地元民からは大いに敬遠された。

そのため、「しらゆき」の便数は年を追うごとにどんどん縮小され、今や風前の灯火となっている。

新潟駅から上越へ

高速バスの方が安くて速いが、今回は鉄道の気分なのでJRで行く。

その前にバスターミナルにある新潟交通の窓口で、ICカード乗車券「りゅーと」の更新とチャージをする。
屋外にある窓口なので、雑音が邪魔して自分の声を届けるのに苦労した。

新潟駅南口の様子

新潟駅を適当に見物するも、とりわけ見るものはない。

札幌駅を新しくして、規模を少し縮小させたような雰囲気。
駅は若者が多く、札幌と同様歩きにくい部分もある。

15時08分発の長岡行きに乗車。
4両編成だからか混んでいる。
全く、政令市なんだから6両にしろよな。

どこも座る席がなく立ちで出発。
新津あたりまで行けば空くかと思いきや、周りの乗客がなかなか降りない。

新潟の人は鈍行が好きなのか、新潟から50分近く経ち東三条に着いても、席はだいたい埋まっている。
自分のすぐ近くには、高校生か大学生くらいの体育会系っぽい男子がスマホゲームをしながら「よしっ」とか「ちっ」とか1人でリアクションをしている。

そういえば札幌には、この手の体育会系ってあまりいない気がするな。

いつまで経っても車内はガラガラにならず、立ちっぱ状態はさらに続く。
全く、こんなことなら高速バスにすれば良かった。

空港から地元まで高速バスで2時間半以上、鈍行なら3時間以上かかる。
これは冷静に考えてみると、北海道の田舎よりも酷いのではないか?

北海道は空港が何箇所もあるから、最寄りの空港まで3時間もかかる地域は少ないだろう。
例えば、日本最北の稚内には空港があり、最東の根室にはないが、中標津空港まで1時間ほどで辿り着ける。

まあ、上越の最寄り空港は実際には富山空港であり、富山からでも千歳まで行くことはできるのだが、他県だからか空港まで公共交通で行きづらいので、仕方なく新潟空港を使っている。

ああ、新幹線駅はあれど空港なし。
東京に行く手段以外は著しく不便という田舎の辛さよ。

16時22分、終点の長岡駅到着。
結局、ずっと立ちっぱなしだった。

移動はまだまだ終わらない。
引き続き直江津行きに乗車し、終点の直江津まで。
はあ、新潟ってある意味北海道より厳しいね。

長岡駅にて

直江津行きは2両編成のため、またもや座れず。
JR東日本よ、編成を短くするのはやめたまえ。

柏崎駅にて

長岡から1時間ほどかけ、直江津へと向かう。

途中の柿崎からは、会社員らしき男女数人が乗ってきて、車内でそこそこ大きな声量で談笑している。
疲れていたので、隣の車両に避難。

直江津駅にて

直江津からは、「えちごトキめき鉄道」に乗り換えて、最終目的地の高田駅へ。
たった2駅で着くが、疲労が蓄積しているので長く感じる。
目も疲れて来て、充血した両目から涙が出てきた。

高田駅にて

ようやく高田駅に到着!
丘珠空港からここまで、なんと5時間半もかかった。
恐るべし新潟県の広さ、北海道と張り合えるレベルではないだろうか。

久しぶりに本州へ帰った感想

約2年ぶりに本州へ帰ってきた。
札幌から上越への移動は大変で、とにかく疲れた。

丘珠から新潟空港、新潟駅までは2時間程度でアクセスできるので、ここまでは余裕だった。
ただ、新潟県内の移動が長すぎて、段々と体力を消耗していった。
飛行機で若干の乗り物酔いを感じていたのと、鈍行でひたすら立ちっぱだったこと、水分補給がおろそかになったことなどが影響し、かなり疲れ切ってしまった。

最近は長旅をしていなかったので、久々の長距離移動は体に応えた。

トキエアは初の利用だったが、札幌市内から直接新潟まで行けるのは素晴らしいと思った。
これからも積極的に利用していきたい。

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