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稼いでもお金が貯まらない!?:税金/年金/国保/奨学金の四重苦

10月下旬となり、今年もあと2か月弱となった。
この時期になると憂鬱になるのは、来年の確定申告と、それに伴って計算される税金や国民健康保険料の支払いである。

私は今年3月下旬からフリーランスとしての活動を始めたのだが、全く予想していないレベルで仕事が上手くいき、かなりの金額を稼ぐことができた。


驚愕の税金、国民健康保険料

そこで、弥生の「個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション」を用いて簡単に税金と国保保険料を試算してみた。
このサイトを使うと、1年間の売上(現時点では10月末までの分)、必要経費、そして社会保険料控除などの金額を入れるだけで、大まかな税額を調べることができる。

「計算する」を押してみると、とんでもない金額が表示された。
なんと、所得税と住民税、国民健康保険料を合計した金額が、200万円を超えていたのである。

しかもこの金額は、私が現在行っている国民年金の追納による社会保険料控除を踏まえた金額でもある。
つまり、200万円以上の税金と国保保険料に加えて、数十万円以上にも上る国民年金保険料も支払わなければならないということなのだ。

国民年金保険料の追納

なら、追納なんてしなければ良いではないかと思われるかもしれないが、ある程度長生きをするのを前提とすれば、国民年金の追納は合理的なことだと考えている。

まず、私は学生時代、そして無職だった昨年度を含め、4~5年間にわたって国民年金が免除されていたという経緯がある。
免除されていた年金は、後から「追納」という形で支払うことができる。
当然ながら追納による負担は大きいが、追納をすることで老齢基礎年金が増えることはもちろん、社会保険料控除を使って翌年の税金を減らせるという効果も持つ。

私はいつまで生きられるのかは分からないが、とりあえずある程度長生きするだろうという前提に立って考えると、追納をしておいた方が節税の観点からも良いという結論になった。

というわけで、私は既に50万円以上の金額を追納している。
それに加えて、今年度の国民年金保険料(一部は免除されていたので、12か月分ではない)がだいたい8万円くらい。
合計すると、60万円弱になる。
ただ、もしかしたらもう少し追納をするかもしれないので、この金額はもう少し大きくなる可能性もある。

高すぎる国民健康保険料

百歩譲って、所得税や住民税、国民年金の支払いは目をつぶろう。
だが、国民健康保険料はどうしても納得がいかない。
その理由は、大きく分けて2つある。

理由①:金持ちほど得をする保険料設計

国民健康保険料というのは、稼いでいる人間ほど得をするような仕組みになっている。
例を示すために、札幌市の国民健康保険料の早見表をご覧いただこう。

札幌市の場合、国民健康保険料(64歳以下)の上限は104万円(介護保険料込み)となっている。
前年度の給与収入が900万円、所得が705万円以上の人がそれに該当する。

つまり、所得が705万円の人も、1億円の人も、10億円の人も、支払う保険料は同額なのである。
(仮に1億以上稼いでいたら、法人成りした方が実際は得なのだが)
そこそこの金額を稼いでいる人と、莫大な金額を稼いでいる人が同じ保険料を支払うというのは、どう考えてもおかしいと言わざるを得ない。

理由②:健康保険組合に入れる労働者との格差が大きすぎる

世の中には、国民健康保険とは異なる別の健康保険に加入することができる人たちもいる。
例えば、文芸・美術・映画・写真などの同種の業種に従事する人が加入できる「文芸美術国民健康保険組合」。
その他にも、医師や税理士、建設や土木など、さまざまな業種に対応した健康保険組合が存在している。

健康保険組合の保険料は、収入にもよるが国民健康保険と比べ安いことが多いらしく、できれば組合に入りたいものだ。
しかし、私がやっているインターネット関連の仕事を対象とした健康組合は、残念ながらなく、国民健康保険に入る以外の選択肢がない

奨学金の支払いも待っている

税金、年金、国民健康保険料に加え、私の場合は奨学金の支払いもある。

それほど大きな金額ではないが、月額1万円ほど支払わなければならない。
年間にすると13万円ほど。
決して莫大な金額というわけではないが、自由に使えるはずの1万円が毎月どこかに消えてしまうと考えると、どうも腑に落ちないものがある。

フリーランスは不利なことが多すぎる

結論として、フリーランス(とりわけ国民健康保険以外の健康保険組合に入ることができない業種に従事する人)は社会的な立場が相当低いということがよく分かった。

おそらくこれからも、国民健康保険料は上がっていくだろうし、場合によっては税金も上がるかもしれない。
今秋始まった「インボイス制度」で、フリーランスの負担が増す中で、税金と国民健康保険料、そして国民年金によるトリプルパンチは、まさに「泣きっ面に蜂」と言って良い。

今年は本当に一生懸命働いてきたのに、この仕打ちがこれ(税金と保険料、年金もろもろで200万円強)と考えると、働くやる気も失せてしまうというわけである。

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