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自分を貫くVS柔軟にいる

「もう眠たいから寝るね」
チリに留学していたときに、僕が飲み会を断っていた常套句だ。

海外の飲み会はスタートが恐ろしく遅い。
21時なんてザラだし、「21時に行こう」と約束して、結果22時30分に出かけはじめるなんてことも普通だ。


僕はかなりの朝型人間で、生活リズムもかなり規則正しい。
そして夜ふかしが苦手で、どれだけ宿題に追われても絶対に徹夜はせず(というか出来ない)、必ず宿題を諦めていたほどだ。
そんな僕はチリにいたときも、自分のスタイル(朝型の生活リズム)を貫いていた。


自分を貫いたことには2つ理由がある。
1つは先ほど言った通り、眠たかったからだ。
21年間(留学当時)の生活リズムを早々簡単に変えられず、22時30分には身体が横になることを求めていた。

2つ目は、「自分を貫くことが大事」と思い込んでいたことだ。
こんな言葉をよく耳にしたことがないだろうか?


「海外の人はハッキリと意見を言うが、日本人は意見を言えない」
僕はこの言葉を額面通りに受け止め、「俺は自分の意見を言うんだ!」と意気込んだ。
だから誘われたときも、「眠いから無理」とハッキリと断った。


しかし、本音としては結構後悔している。
この旅行で築いたが、やはり人と深く交流するには、交流している時間の長さは大切だ。
それに、ただ会話をしている長さだけではなく、理想としては相手の文化の中(相手の土俵)で交流することが、深く交流する、仲良くなるために大切なのだ。


たとえば日本で外国人と仲良くなるなら、飲み会が定番だろう。
居酒屋に行って、日本のご飯を食べながら話す。
そこにノリ良く来てくれたら、こちらも全く悪い気がしないどころか、嬉しいものだ。
南米で言えば、バーだったり、クラブだったりがそれに当たる。
遅い時間と言うのも、彼らの土俵だろう。


しかし、僕は「自分の意見を主張することが大切」という意見を盾にして、自分のスタイルを貫いてしまった。
と言うより、自分のスタイルを変えたくない理由として、「自分の意見を主張することが大切」という話を使ったのだ。
「眠い」と断ったときの、彼らの少し悲しそうな顔は今でもチラつくことがある。


その後悔の念からか、スペインに来た今、かなりヨーロッパスタイルに溶け込むことにしてみた。
22時にみんなと宿を出て、3時くらいまで飲んだり、踊ったりする。
翌朝は10時か11時まで平気で眠る…、この生活を2週間ほどしてみた。


身体はめちゃくちゃキツい。
だけど、これまでの旅行にはなかったほど、仲の良い友達ができた。
いつもは社交辞令で「あなたの国行ったらよろしくね〜」と言っていたが、本気でこの人たちに会いにそれらの国に訪れようと思えた友達だった。


正直まだ「自分を貫く、自分の意見を言う、自分を大切にすること」と「相手に合わせる、相手を大切にすること」のバランスがわかっていない。
しかし、自分のスタイルを維持してばかりだった頃とは違った経験ができたことは、本当に良かった。

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