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「人」こそが何よりの居場所になる

「どんなホステルが良いか?良かったか?」
は旅行者の間でよく話題になる。

ちなみにホステルとは、簡単に言うと「安宿」。
6人や10人などの相部屋で、シャワーやトイレは共用。
要はプライベート空間を削っているから安いわけであり、その代わり空間を共有しているためいろいろな出会いもある。


僕にとって良いホステルの条件はいくつかある。
①共用スペースがあること
②共用スペースが外にあること
③共用スペースが屋上のテラスにあればベスト
④共用スペースがほどよく狭ければ最高 of ベスト

僕にとって、ホステルの良し悪しを決める条件はすべて「共用スペース」に関するものだ。
それほどに僕にとって、「共用スペース」は大切なのだ。


シャワーやトイレが汚いことはよくあるし、ベッドが狭いこともある。
Wi-Fiが弱いことも、停電を起こすこともある。
しかし、これらは我慢できるし、なんなら慣れる。
何日か滞在していれば「こんなもんだ」と思えるようになる。


しかし共用スペースが、たとえば僕が上に書いたような条件を満たしていないと非常に困る。
なぜなら人と仲良くなれないからだ。
みんながゆっくりできて、自然と会話が発生するような空間になる(ほど良く狭いと、必然的に皆んなが顔を合わせて話すようになる)と、友達ができる。
友達ができると、一緒に飲みに行ったり、一緒に観光に行ったりできる。

ある程度の不潔さや不快さには慣れるが、僕は孤独には慣れることができなかった。


僕は1人でいても気にならない方、孤独でも気にしないだと、自分のことを思っていた。
しかし、それは日本での話だった。
日本でなら会いたいときに友達や家族に会える。

日本にいたときに、僕が1人でいることや孤独なことを気にしなかったのは、本当はまわりに大事な人がいて、自分が安心できていたからだ。


ただ、海外にいると、事情が変わる。
電話で話せても、会いに行くためには、海外旅行をやめて帰国するしかない。
せっかくお金を貯めて出たのに、それはもったいない。
しかし、人と話せない、人と交流できない孤独は耐え難い。
だから、僕にとって交流できるスペースをもつホステルが大切なのだ。


また、どの場所が良かったかを振り返ると、必ず仲の良い友達のできたホステルが思い浮かぶ。
そこでバカ話をしたこと、一緒に観光したこと、チェスをして遊んだこと、深夜に迷子になったことなど、様々なエピソードが思い浮かぶ。


大事な人は、自分にとって居心地の良い場所になる。
新天地で心細くなるのは、そこに大事な人がまだおらず、自分にとって居心地の良い場所ではないからだ。

「人を大切にしなさい」
学校でも家でもよく聞く言葉だったし、頭では理解しているつもりだった。
しかし、この旅行のおかげではじめて心から、体験として理解できるようになった。


大事な人がいるおかげで、そこが居場所に思えて、人は安心して行動できるようになる。
冒険できるようになる、挑戦できるようになる。
なぜならもし傷ついたり、負けたりしても、帰ることができるからだ。



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