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インドは「常識を疑う力」をくれる

僕のインド人のイメージは「自分第一主義」だ。

「自分第一主義」は僕が勝手に作った造語なのだが、意味は読んで字の如く。
「まわりへの配慮や気遣いなんかよりも、まずは自分のやりたいことをやる」という考え方だ。

僕が「インド人=自分第一主義」と思うようになったエピソードを例に出そう。

僕は基本的に安宿しか利用せず、そういった宿は相部屋になっている。
相部屋となれば、必然的に他の人もいるため、日本人ならかなり気を遣うことだろう。
荷物はなるべくまとめて自分の近くのベッドに置き、なるべくうるさくしない。
夜中に電話で話すなどもっての他だ。

ところがインド人は違う。
YouTubeを見るときもイヤホンは付けないし、夜中にでも平然と電話をしはじめる。
宿以外でもインド人が「自分第一主義」と思う出来事はたくさんあった。


まずは交通事情。
インドはただでさえ人が多いうえに、野犬や牛が道路を悠然と歩いていることも多い。
特に、牛はどれだけクラクションを鳴らされようが気にも留めない。
インド人顔負けの鋼のメンタル(?)だ。
そんなインドの道路のカオス事情はこれだけではない。
道路には車、バイク、人力車、人力車的なバイク、自転車、歩行者がひしめきあっており、逆走は日常茶飯事。

そして誰もが自分が真っ先に行こうとするため、交差点ではしょっちゅう押し合いへし合いになっている。


またインドを歩いていると、子どもや大人に関わらず、ジロジロ見られる。
こちらが見返しても、まっすぐに見つめ返してくる。
なぜジロジロ見るのか?
物珍しくて、興味が湧いたからだ。
そして相手がどう感じるのかは、彼らにとって知ったことではない(多分)。


ここまで書くと、「インド人はなんて非常識なんだ!」と感じる人もいるだろう。
僕も最初はそう思っていた。

しかし、インドではみんなが「自分第一主義」であり、それが社会的な常識となっている。
日本では「人に迷惑をかけない」が社会の常識となっていることと同様だ。

そのためインド人は逆走している人がいても怒らない。
夜中に電話している人がいても怒らない(それどころか普通に寝ている)。
ジロジロ見られても怒らない。
なぜなら「自分もみんなも自分第一主義」だと考えているからだ。


日本の非常識はインドの常識。
「日本人として自分はどのような考え方を持っているのか?
どのような常識に縛られているのか?」
を知るうえで、これほど良い国はない。
少しでもインドに興味の湧いた人は、ぜひ行ってほしい。


最後に「インド人はこう!」と書いたが、当然それに当てはまらない人もいる。
日本人でも他人の迷惑をまったく考えない人もいれば、インド人でもまわりにとても気を遣う人がいる。
そのため、ここに書いたことはいち旅行者の体験だと思ってほしい。

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