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一人旅は誰だって寂しい

スペインの南部、アンダルシア地方。
フラメンコと闘牛(今はあまりやっていない)で有名な、まさにスペインを象徴する地方だ。

その南部でも大きな都市の1つ「セビージャ」。
そこでイケメンなアメリカ人とフランス人と出会った。
アメリカ人は『ロードオブザリング』の「アラゴルン」にそっくりで、フランス人は『ロードオブザリング』の「レゴラス」のそっくりさん。


しかし、奴らは顔だけではなく中身までイケメンだった。
朝起きたら、フランス人は屋上のテラスで、パイプをくゆらせながら、ギターを弾いていた。
アメリカ人は午後にコーヒーを飲みながら、チェスに興じていた。
どちらも過ごし方がイケメン過ぎる。


ところで、この2人は僕と同じ一人旅。
3人で話していると、「たまに無性に寂しくなるよなぁ」ということで盛り上がった。
とは言え、僕としては意外だった。


アメリカ人なら英語でだいたいの人とは会話できる。
フランス人は英語どころか、フランス語もスペイン語も話せた。
それでいてイケメンだから、「友達づくりに苦労することなんてないだろうに」と僕には思えたのだ。


きっと宿では色々友達ができるが、やはり宿だとすぐに離れ離れになるからだろう。
それに家族や長い付き合いの友人と離れ離れになるのは、誰だって寂しいことなのかもしれない。


とは言え、寂しい寂しいと嘆いていても仕方ない。
2人はいろいろな方法で旅を楽しんでいた。

アメリカ人は、チェス、ギターが好きだった。
宿で出会った人とチェスをする、ちなみに僕は4度挑み、1度だけ勝てた。
また音楽が好きなので、フラメンコの音楽の個人レッスンを受けてもいた。

フランス人は、特に音楽が好きだった。
宿で弾くことはもちろん、飛び込みで弾けるバーを探して弾いているらしい。
驚異的な行動力と心臓の強さだ。

僕は僕で散歩したり、街中で本を読んだりして、それなりに楽しんでいる。


1人旅は誰だって寂しい。
英語や他の言語がペラペラなイケメンだって寂しいらしいのだ。
そう思うと、なんか安心できた。

しかし、この「寂しさ」が原動力になる。
もし僕が寂しさを感じなかったり、平気だったりしたら、友達を作ろうなんて思わないだろう。


世界一周をはじめて4ヶ月目、いまだに人に話しかけるのに勇気がいる。
これは僕の性格なので、もう仕方ない。

ただ「寂しさ」のおかげで友達を作ろうと、重い腰が上がる。
友達ができると、居場所ができる。
居場所ができると、ようやく安心できる。

だから僕は人に話しかけることが苦手でも、在庫に乏しい勇気をなんとか振り絞ることにしている。

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