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大阪旅行記 その1
初の大阪へ
先日、大阪へ一人旅をした。
私にとっては正真正銘、初めての大阪である。
一人旅のメリットは何といっても、誰とも日程を合わせなくていいところだ。私はたいてい、2~3日前になってから急に思い立って決めることが多い。前々から計画していて、台風や急な仕事で行けなくなったりした場合、がっかり度が半端ないからだ。天候や自分の体調などを見て、「よしこれは行ける、絶対行ける!」という状態がほぼ確定してから、宿や移動手段を予約するようにしている。
なぜ今回、未踏の地だった大阪を旅先に選んだかには理由がある。
1か月ほど前から、アイドルグループ「なにわ男子」にハマった。彼らのYouTubeなどを見ていると(芸人ばりに面白い)、関西出身というだけあって、もちろん会話は関西弁だ。それによく大阪の話も出てくる。とある企画で「大阪で一番かっこいいと思う駅名」を発表しあう彼らの、普段以上に生き生きとした表情や盛り上がり具合といったら。みんな本当に大阪が好きなんだな、と伝わってきて実にほほえましい。つい買ってしまったHanakoでも、メンバーの大橋くんが溢れんばかりの大阪愛を語っていた。
そういうわけで、「なにわの風を感じたい」という理由のみで、今回は大阪へ行くことにした。
東海道新幹線の車内チャイム
新大阪までは、東京駅から東海道新幹線で約2時間半。東海道線で京都より西へ行くのは、何気に初めての経験だ。
新幹線に乗るのは半年ぶりくらいだが、車内チャイムがTOKIOの『AMBITIOUS JAPAN!』ではなくなっていることに気づく。後から調べてみたところ、少し前の7月20日付で終了していたようだ。知らないあいだに、色々なことが変わってゆく。
それにしても、移動時間は暇である。
新幹線に乗る前は、スタバでコーヒー買って飲んじゃおうかなとか、新しく買った小説を読むぞとか意気込んでいたのだが、結局両方ともできずにほぼ寝ていた。
20代前半くらいまでは、何というか、旅における移動時間そのものをもっと新鮮に楽しめたような気がするのだけれど、今は「早く着かないかな」とばかり考えてしまう。腰も痛くなってくるし。年齢のせいだろうか。
関西弁とエスカレーター
ようやく到着した新大阪駅は、すごく人が多かった。
予約したホテルは新大阪駅から徒歩圏内だったので、一旦スーツケースを預けに向かうことにする。本当は、手っ取り早く駅構内のロッカーに預けたかったのだが、何とどのロッカーも満杯だった。
それにしても、外国人旅行客の姿が目立つ。みんなどこへ行くのだろう。
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ホテルへ到着すると、フロントの方が関西のイントネーションで話していて、「おお。」と思う。いや、ここは大阪なので関西弁が当たり前なのだけれど。
もちろん人によるだろうが、昔少しだけ付き合っていた関西出身の男性は、「東京では、できるだけ関西弁を封印している」と言っていた。だけど今ここでは、東京からやってきた私のほうが圧倒的マイノリティなのだ。
たとえ大阪のような大都市であったとしても、何とも言えない「余所者感」を味わえるのが旅の面白いところだと思う。同行者のいない一人旅だと、余計にそれを感じる。
荷物を預けて新大阪駅へ戻ったところで、ふと気づいたことがある。
エスカレーター、みんな右側に立ってる!
そういえば、関西では東京と反対で、エスカレーターは「左空け」なのだと聞いたことがある。言葉もそうだけれど、たかだか新幹線で2時間半程度離れただけで、文化が違ってくるのはとても面白い。
御堂筋線に乗る
さて、大阪へ来たはいいものの、全くと言っていいほど何もプランを考えてこなかったので、とりあえず「あべのハルカス」へ向かってみることにした。
新大阪駅から、御堂筋線で天王寺駅へ。
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スーツケースも預けたことだし、いかにも「地元人ですよ」という顔をして地下鉄に乗り込み、「梅田」「心斎橋」「なんば」といった聞き覚えのある駅を通過していく。
今回に限らず旅先では、内心「その土地で生活しているつもり」でふるまうのが好きだ(もちろん、私の様子など誰も見ていないが)。もしもこの土地で生まれ、学校に通い、就職していたら、一体どんな人生になっていたのだろう? そう思いを馳せるのは、ちょっと楽しい。
「心配やなあ」
「それ、違うやろ」
「ほんまに気づいてなかったんか?」
耳を澄ますと、地下鉄の車内ではあちこちから関西弁で話す声が聞こえてくる。ここは大阪なので当たり前だけれど、今私は大阪にいるんだな、と改めて実感した。
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