#1 “杜の都”仙台のラブソング「青葉城恋唄」
September 17 (Thu)
おばんです。ともさんです。
短くてもできるだけ毎日投稿を作ろうと思いましたので、忙しい日は短く、そうでない日はちゃんと内容のあるものを作っていきます。ちなみに今日は短い方です。
突然ですが、これ、聞いたことありますか?
皆さんの中には他県から仙台に来られた方もいらっしゃると思います。そのような方なら初めて仙台の地を踏んだその時に、仙台に住んでいる方なら何処か遠くへ出掛ける前に、きっと聞いたことがあるのではないでしょうか。(仙台在住でない方は、なんか言ってんなと聞き流してください)
このメロディーの原曲は、「青葉城恋唄」というご当地ソングです。
「広瀬川流れる岸辺 思い出は帰らず〜♪」
という歌い出しで始まり、仙台の情景とともに綴られる失恋ソングです。
そう、失恋ソングなのです。
この歌は、宮城県民なら「Oh!バンデス」でお馴染みさとう宗幸氏の楽曲です。(ちなみに、冒頭の「おばんです」は仙台訛りで「こんばんは」の意味で、この番組の名前もそこから来ております。)
これは1977年、当時NHKFM仙台のパーソナリティを務めていた同氏が、リスナーから寄せられた詩にメロディーをつけて歌うコーナーにおいて、仙台在住のリスナーから寄せられた詩を元にし、5分ほどで(!)誕生した楽曲なのです。
当初は仙台市内を中心に定着していった「青葉城恋唄」ですが、地方に注目が集まっていた時代、東北発のご当地ソングとして徐々に全国的に人気を博すようになり、さとう氏は有名な歌番組にも出演するまでになりました。
さらに、当時ご当地ソングのようなものが無く、著名なこの歌の存在を有り難がった仙台市やJR東日本、楽天球団などにより使用され、やがて仙台市民にとっては「準市民歌」のような存在となったのです。
この歌に描かれている仙台市内の情景は、市民ならばきっと思いを馳せるには十分なほど、短い中によく表現されています。
爽やかなメロディーに乗せられた歌詞は、切ないながらも、仙台の街を流れる風を感じるような優しい気持ちにさせてくれます。
さて、冒頭で言及しましたが、なぜ失恋ソングなのか。
それは作詞者の方に聞いてみなければ真意は分かりませんが、私の中で仮説を立ててみました。
それはズバリ、仙台は人の入れ替わりが激しい都市であるから、です。
少し専門的な話にはなりますが、仙台市はよく、支店経済都市と呼ばれています。
これは、東京や大阪に本社のある大企業の地方の拠点としての支店が多く出店し、それを基にした経済が形作られている都市ということです。
大企業、支店につきものなのが、転勤ですよね?
また、仙台には多くの大学、短大、専門学校が立地しております。ここには東北6県のみならず、全国から学生が集まり、いつの時代も仙台の地で青春を過ごします。
仙台で青春を過ごした学生たちが卒業後どうするのか。もちろん仙台に残って働く人も居ますが、地元に帰ったり、東京に出たりする人も多くおります。
仙台近郊の観光地には、「◯◯すると別れる」というジンクスが多いのも特徴的ですね。(E.g. 光のページェントをペアで見に行くと別れる)
物理的な距離が離れれば、熱い恋愛の心も離れる。
杜の都で出逢い、そして別れる。それはある種のテンプレートのようなものなのかもしれません。
出自がどうあれ今を仙台で過ごし、多くの人と出会い、そしていつか別れる皆さんにも、この歌を杜の都の思い出とともに、心の中に持っていただけると、1仙台市民として嬉しく思います。
天気の変わりやすい季節ですのでご自愛ください。では。
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