角部屋の速度で、

本当はもう何も求めてなどいないのか
差し出された腕に身を任せたら満足してしまった
窓のない部屋と眩しい夜明けの落差で
ありふれた状況も情緒があるように補正されて

楽しかった瞬間をコラージュして
衰退していく感度は逸らしてどうか触らないで

顔の要らないビデオ回して酸素の要らない音楽流して代わりだらけの結末重ねるおぞましいほら普通のひとです

本当はずっとあの感動を追体験したい
一瞬剥がれた仮面やはにかむ顔で現実を見せてよ
シャッフル再生な会話が耳をすり抜けていく
顔のないキャラクターだけがぼんやり漂っている

一番辛かった時代はあなたのもの
呪いのように絡まる指が安堵させるのは何故

顔を写したビデオ録画して痛々しい音楽を鳴らして代わりがないから傷つけ続けるおぞましいでも代わりが居ないの

もっと絶望させろよ
生ぬるい地獄はもう飽きた
本当はもう何も求めていないのか
誰かに会いたい。

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