末端の微熱

優しい世界には冷たさが必要だなんて
アイスが溶ける今の今まで忘れていた
踏みつけた蝶々、選ばなかった掌とか
梅雨に甘えて人の形を信じてしまった

理由が無いと落ち着かない
ぼろぼろにしながらひとりになりたかったんですか

仲良くなりたかっただけさ
富や名声より誰かと居たい
背中合わせの体温を噛み締める夢から覚めて
平熱は高いまま

一年が一瞬、おしまいが色を帯び始め
失った時間を嘆く余白も残されていない
知らない色の鯉、作られた平和な世界とか
もし此処が誰かのコレクションケースなら何の為に

理由が無くてもいつか終わる
出会った時に生まれた願いは薄れるものですか

此処で生きたかっただけさ
あなたやあなたやあなたと共に
ひとりきりで歌いたかった訳じゃないのに
平熱が高いまま

全てのことには理由があって
あなたの怒りや憎しみにすら
ただそこに在れば良いのにどうして
いつか終わってしまうのに

仲良くなりたかっただけさ
富や名声より誰かと居たい
背中合わせの体温を噛み締める夢から覚めて
平熱は高いまま

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