【芸術文化の理想の助成とはVol.1】理想の助成制度を考えるということは、理想の社会を考えるということ
オンライントークに参加してきました
アートマネージャーラボ主催の理想の助成制度について考える会に企画段階から参加させていただき、オンラインでお話をさせていただきました。
『現場目線で考える理想の助成制度・研究会#1 キックオフ』
https://youtu.be/YE0W6l7whEs
前半はYOUTUBE LIVEで公開され
後半は参加希望者による非公開のZOOMで少人数で話し合いました。
時間がいくらあっても足りないのでは?と思うくらい話題は多かったですが、「理想を語る」ということに関しては思っていたよりも話が進まず、十分な議論ができなかったように思います。
これまでの経験や具体的な課題、事例紹介だけでもかなりの時間を必要としたため、改めて文章にて反芻したくなり、このnoteのアカウントを開設したようなところがあります。
それで、本当はここで「理想の助成、理想の社会とは何ぞや」ということを書いていきたいのですけれども、その前段階として「助成をする側」と「助成を受ける側」のお互いの願望やリスク/ストレスに感じることなどを今一度まとめておきたいと思いました。
下記は自分が思ったことに加えて、オンライントークで出てきたものや、過去に自分が聞いたことをまとめました。
芸術文化の助成を受ける側の願望とストレス(アーティストや芸術団体など)
◎願望
・芸術は必ずしも社会に良いもの、役立つものだけではないということを理解して欲しい。社会に都合よく利用しすぎないでほしい。
・最低限活動を見に来て欲しい、感想や評価を聞かせてほしい。
・収支予算の妥当性よりも、活動内容そのものをまずは評価してほしい。
・いつまでも古いルールが残っている場合は、現代仕様に更新して欲しい。
・ネットバンキングはNGと言われることがあるが、振込手数料が安いし、振込の手間やATM操作時のストレスがないので対応して欲しい(=価値観やシステムが古い)
・落選理由を少しでも良いから教えて欲しい。
・他の採択者とのネットワーク作りができる場を設けて欲しい。
・現場に寄り添った内容、対応をしてほしい。
ストレス
・無償奉仕、ボランティアを強いるケースが多々ある。
・申請書も報告書も書類を書くのが大変、できるだけ簡単にしてほしい。
・事業内容によっては2分の1助成がきつい。多様な内容に合わせた柔軟な支援があれば・・・
・収支のルールが細かい、難しい。
・何度も修正の指示がきて大変だった。
・返事がなかなかこない。
・人件費や設備投資などが認められないので、主催者だけが苦労する。
・事業内容に変更はつきものだが、それを理解してくれないと辛い。
・黒字=健全な収支だと助成金を返還しなくてはいけないのが辛い。
・文章が(言葉が)難しくて理解できない。
・応募期間が短すぎる。年に何度か応募してほしい。
・効果測定を自分でやらせるだけなのはどうなのか、他者にも効果を検証して欲しい(事業評価がないところが多い)
●芸術文化の助成をする側の願望とストレス(助成団体、地方自治体、文化庁など)
◎願望
・助成金の不正利用がないようにしたい。
・よりよい社会を形成するような事業案をみたい。
・助成内容(応募内容)にピッタリな申請が届いてほしい。
・質の良い申請はきてほしいが、あまりにたくさんの応募がくると大変。
・一部の人達だけではなく、幅広い分野の人達に応募してきてほしい(とはいえあまりにたくさんの応募がきたら大変。
・助成活動を通してステップアップして欲しい、経済的にもいずれ自立して欲しい。
◎ストレス
・申請書や収支予算書の内容が、こちらの意を汲んでいなさすぎる。
・計画通りに事業が実施されないのが(おそらく)一番辛い。
・特定の団体だけにしか支援していないように見られるのは困る。
・営利活動にはお金を払えない(ことが多い)。
・全ての活動にきちんと向き合うには時間や人手が足りない。
・助成採択活動数に対して、こちらの人員が少ない。
次回は上記の中から何点か拾いつつ、自分が思う理想の助成制度について考えていきたいです(実現性の有無はさておき・・・)
文章:森嶋 拓
アートマネージャーラボについて
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