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第5章 天の川銀河と星間物質 41,42,43

天文宇宙検定1級公式参考書極・宇宙を解く-現代天文学演習」を読んで、わからない用語や整理したい内容をまとめています。
ど素人がまとめていますので、誤り等指摘いただけると嬉しいです。

ジーンズ不安定と重力収縮

(テキスト読んでも分からなかったので、天文学事典の内容を引用します)
自己重力系において、一様な状態中である波長以上の摂動が起こると、その摂動部分に含まれる質量による重力が圧力勾配に打ち勝ち摂動が成長し不安定となる。この不安定性をジーンズ不安定性という。 不安定になり始める波長をジーンズ波長、ジーンズ波長を半径とする球内の質量をジーンズ質量という。

ジーンズ波長

$${λ_J = \sqrt{\frac{πc_s^2}{Gρ}}}$$

ジーンズ質量

$${M_J = \frac{4π}{3}(\frac{λ_J}{2})^3ρ = \frac{π}{6}(\frac{πc_s^2 }{G})^{3/2}\frac{1}{\sqrt{ρ}}}$$

重力崩壊

進化の末期の恒星が自らの重力に耐え切れずに崩壊する物理現象
半径$${r}$$のガス球(恒星)が$${δr}$$圧縮されたときの自己重力の変化は$${r^{-3}}$$に比例するのに対し、圧縮に対する反発力は$${r^{-2}}$$に比例する。
つまりジーンズ不安定のために重力収縮を始めると、反発力以上に自己重力が強くなり限りなく収縮を続けることになる。

恒星誕生と惑星誕生

恒星は分子雲の重力収縮により誕生する。
誕生時に恒星の周りに塵とガスからなる原始惑星系円盤を形成する。
惑星はこの原始惑星系円盤の中で誕生する。

分子雲

星間ガスは$${1cm^3}$$中に水素原子が1個、星間ダストは$${100m^3}$$中に$${0.1μm}$$の粒子が1個存在する程度に希薄である。
これらは銀河系内で一様に分布しておらず、高密度のガスの塊(星間雲)として漂っている。
星間雲が何らかの原因で重力収縮を始め、水素分子や一酸化炭素分子なのが主成分となる分子雲を形成する。
分子雲は水素原子が$${100個/cm^3}$$以上、温度が10から100K、質量は太陽の$${10^2}$$から$${10^5}$$倍程度である。

分子雲コアから主系列星へ

JAXA / 宇宙情報センター

原始星

分子雲コアの中心部の温度が状況し、収縮で解放される重力エネルギーで輝く星のこと。

Tタウリ型星

原始星周りのガスやダストが原始星や円盤部へ落下、または双極分子流によって消失し、可視光でも中心星が見えるようになった段階の恒星

ハービッグAe/Be型星

Tタウリ型星と同じだが、質量はそれよりも大きい。
これらを合わせて前主系列星と呼ぶ。

林トラック

HR図上での恒星の進化経路のこと

原始惑星系円盤から惑星へ

国立天文台 / 理科年表オフィシャルサイト

微惑星

原始惑星系円盤内で形成されるkmサイズの無数の小さな天体(惑星)のこと

原始惑星

微惑星が衝突・合体を繰り返し1000kmサイズにまで成長した天体(惑星)のこと

地球型惑星(岩石惑星)

原始惑星が成長し、最終的に地球や金星のように主に岩石でできた惑星のこと

木星型惑星(巨大ガス惑星)

太陽から遠く水や一酸化炭素が個体(氷)の状態で大量に存在し、かつ太陽重力の影響が弱くより多くの微惑星を集めることができたため、巨大な原始惑星に成長した
この巨大な原始惑星が重力によって原始惑星系円盤内のガスを引き付けて大量のガスを纏ったのが木星と土星のような巨大ガス惑星である

天王星型惑星(巨大氷惑星)

公転周期が長く微惑星の空間密度が小さくなり巨大な原始惑星が形成される前にガスがなくなり、木星のようにガスを纏うことができなかった質量の大半が水やメタン等の氷でガスは質量の10%ほどしかない惑星

超新星残骸の進化

自然膨張期

t〜$${10^2}$$年、超新星から放出された直後のため、ガスの運動量は大きく4000〜1万km/sの速度がある

断熱膨張期

t〜$${10^3}$$年、周囲のガスと衝突し減速されるようになる
ガスの運動エネルギーが星間物質にも分配されるが、輻射による熱エネルギーは十分ありガスは断熱的に膨張する

輻射冷却期

$${10^4}$$〜$${10^5}$$年、衝撃波によって圧縮されたガスの複写冷却が効き始め、超新星残骸の一番外側には密度の高いシェルが取り囲むようになる。

晩期

t > $${10^5}$$年、星間ガスの乱流運動などにより残骸の形状は球殻構造から崩れ、衝撃波は音波や電磁流体波となる。

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