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星空散歩(秋)〜中級編

秋。日に日に寒さが身に染みる季節ですが、よく知った星座が明るく輝いています。
そんな見つけやすい星座を探して、星空を散歩してみましょう。

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<星空を説明するときは、上下左右ではなく、東西南北を使用するのが通常ですが、>
<わかりやすさを優先させるため、北半球で南を向いて立っていることを前提に上下左右でまとめています。>
<10月1日22時、11月1日20時、12月1日18時ごろの北海道札幌市で見える星空になります。>

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『秋の四辺形』のうち、3つの星は『ペガスス座』の星になります。
四辺形の右下からペガサスの首が、右上の星から前足が伸びるような星並びが続きます。
ちょうど、ペガサスがひっくり返って空を駆けている姿になりますでしょうか。

『秋の四辺形』の左の辺を下に伸ばすと、『くじら座』の『ディフダ』に到達します。
そこから左のほうへ、くじらの胴体がありますが、特徴的なのは、見えたり見えなかったりする『ミラ』でしょう。
ちょうど、『秋の四辺形』を左下に伸びるように対角線を延ばした位置に輝く『ミラ』ですが、約332日の周期で見かけの等級が2等級から10等級まで変わる変光星になります。
最も明るい時で2等級ですから、かなり目立ちますし、暗くなると10等級なので、肉眼では全く見ることができません。
気にしていないで最大等級頃に空を見ていると、「あんな星あったっけかなぁ?」と悩んでしまうほどです。

続いて『アンドロメダ座』先、『カシオペヤ座』の左側にあるのが『ペルセウス座』になります。
星座としては、ちょうど、漢字の【入(人)】または、ギリシャ文字の【λ】に似た星並びになります。
『アンドロメダ座』の横にした【A】字の下の星並びの先にある『アルゴル』は変光星になります。
先ほど登場した『くじら座』の『ミラ』が星自体が脈動する「脈動変光星」であるのに対し、こちらは2つの星が互いに回りあい、ちょうどお互いを隠すときに明るさが変わる「食変光星」になります。
その意味では二重星になりますが、変更周期が2.87日と非常に短いことからも一般的な望遠鏡では分離するのは非常に困難です。

『カシオペヤ座』を挟んで『ペルセウス座』の反対側にあるのが『ケフェウス座』になります。
5つないし、6つの星がちょっといびつな三角形のように並んでいる星座になりますが、2等星が一つと明るい星が少なく、街中では見つけづらい星座になります。

秋は明るい星が少なく寂しい季節ですが、6つの星座が織りなす壮大な物語の舞台でもあります。
その6つの星座は、『ペガスス座』『アンドロメダ座』『くじら座』『カシオペア座』『ケフェウス座』『ペルセウス座』になります。

ギリシャ神話のエチオピア王「ケーペウス(ケフェウス座)」の妻である「カッシオペイア(カシオペヤ座)」は、自分の美しさを鼻にかけ、海に棲む女神たちネーレーイスたちよりも美しいと自慢していました。
(娘のアンドロメダ(アンドロメダ座)の美しさを自慢したという話もあります。)
しかしこの言葉はネーレーイスたちの怒りをかい、ネーレーイスたちは海神ポセイドーンにカッシオペイアのことを訴えました。
そこでポセイドーンは、海の怪物「ケートス(くじら座)」を差し向け、エチオピアを襲いました。
「ケーペウス」と「カッシオペイア」は、ポセイドーンの怒りを鎮めるため、娘の「アンドロメダ」をいけにえに出さざるを得ませんでした。
ちょうどそこへ、ゴルゴーン三姉妹の一人メデューサを退治し、その血しぶきとともに生まれた天馬「ペーガソス(ペガスス座)」に跨って国へ帰る途中だった「ペルセウス(ペルセウス座)」が通りかかります。
岩につながれ、まさに「ケートス」に食われようとしている「アンドロメダ」を助けるために、持っていたメデューサの首を「ケートス」に向け石にしてしまいました。
「アンドロメダ」を無事助け出した「ペルセウス」は、「アンドロメダ」とともに「ケーペウス」の元へ帰りました。やがて二人は結婚し、末永く幸せに暮らした。。。
というお話です。

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