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北磁極はなぜ動く

『北はどっちだ?』の note で取り上げた北磁極
ここでは北磁極が動く理由について書きます。

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北磁極があると言うことは、地球を磁石と見る事ができることを示しています。
この地球の磁気のことを『地磁気』と言います。

42億年前の岩石にも地磁気の名残があることから、地磁気は地球の歴史のかなり早い時期からあったと考えられています。

この地磁気ですが、地球の内部で作られています。
(わずかに地球外、太陽から荷電粒子等によるものもあります)

地球に内部は地殻、マントル、核(外核、内核)と言う部分から作られています。
核は鉄やニッケルから作られており、外核は流体、内核は固体になります。
この、流体の外殻が地磁気を作っていると考えられています。
(そのため、固まった岩石には当時の地磁気情報が記録されていることになります。)

流体ですので当然動いています。
鉄やニッケルなので電気を流しやすく、磁場の中を動くことで電流が流れます(=フレミングの左手の法則)。
一つ一つの磁場や電流は非常に小さいですが、厚さが2300kmほどもあるため、その量は膨大になり、地磁気として観測できる大きさになります。
これが【ダイナモ理論】とよばれる地磁気発生原因の説になります。

地球内部の動きによるものですので、一定ではなく、わずかに変化しています。
その顕著な例として北磁極の移動があります。
カナダ地質調査部観測によると、北磁極は北西方向へ少しずつ動いています。
この移動が継続的なものなのか、方向が変わるのか、止まるのかはわかっていません。
また、太陽からの荷電粒子等の外部からの地場の影響により一日の間でもわずかに動いています。

さらに地磁気の向きが南北逆になる【地磁気逆転】が過去数十万年の間隔をあけて繰り返されてきていたことが分かっています。
過去360万年の間に11回は逆転し、直近では約77万年前に地磁気の逆転が起きています。

地磁気は大気や水が宇宙空間へ逃げるのを防ぎ、地球に降り注ぐ宇宙線や太陽からの紫外線を減らす役割も果たしています。
地磁気は地球生物を守る盾にもなっているのです。

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