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流星群って流れ星がいっぱい見れるのか?

一年のうちで何回か、流れ星が普段より多く見られる時期があります。
このときに見られる流れ星のことを「流星群」と呼びますが、なぜ多く見られるのでしょうか?

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流れ星。宇宙空間を漂うチリ(流星物質、微小天体)が地球の大気圏に突入することで光る発光現象になります。
よく、『チリが燃えている』と説明されますが、これは誤りです。
チリが高速(秒速数十キロメートル)で大気圏に突入し、上層大気の分子と衝突して【プラズマ化したガスが発光】しているのです。

ではこの流星物質はどこから来るのでしょうか?

これらは太陽系誕生の頃から宇宙空間を漂っていたものや、小惑星や彗星から放出されたものだったりします。
これは私の予想ですが、隕石が月や火星などに衝突し、その破片が飛び出してしまったものなどもあるのではないかと思います。

このうち、小惑星や彗星が由来のものについては、由来となった天体(母天体)が太陽の周りを回るのに合わせて、その軌道上にばら撒かれたように漂っています。
ただ、当然ですが質量が非常に小さいため、軌道が全く同じということはありません。
また、母天体から常時吹き出しているわけではなく、母天体が太陽に接近したタイミングで表面が溶けるなどにより放出量は多くなります。
この結果、太陽に接近したタイミングでまとまって放出され、それがだんだんと軌道上に広まって、帯状に分布していることになります。
この帯のことを『ダストトレイル』と呼びます。

そのため、比較的若い流星群の場合、ダストトレイルは軌道上に一様に拡散しておらず、母天体の回帰に合わせて出現数が多くなることがあります。
放出されたダストトレイルもある程度のまとまりとなっているため、母天体の回期タイミングと太陽系の他の天体の動きを勘案して計算することにより、出現する時期や量をある程度予想することができます。
最近では2001年に大出現した、しし座流星群などがこれにあたります。

毎年同じ時期に安定して出現する流星群としては、
 ・りゅう座流星群(しぶんぎ座流星群)
 ・ペルセウス座流星群
 ・ふたご座流星群
 ・みずがめ座η流星群
 ・10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)
 ・オリオン座流星群
があります。
前者の3つは、三大流星群とも呼ばれます。

流星群の名前についてですが、基本的に出現する放射点のある星座の名から命名されます。
しぶんぎ座流星群のように今はない星座や、ジャコビニ流星群のように母天体名が付けられていたものもあります。
そこで2009年の国際天文学連合の総会で、名称は基本的に星座名を基本とすることと決められました。

この放射点ですが、流れ星が出現したときに、その経路を逆に辿っていった先になります。
地球に対してほぼ並行に飛び込んでくる流星物質ですが、観測者から見ると一点に収束しているように見えます。
ちょうど、並行している線路が見ている先で集まっているように見えるのと同じになります。

P1030243のコピー

この経路を逆に辿っていった先にある星座の名前が、流星群の名前になります。
そのため、放射点に近いあたりで見られる流れ星は経路が短く、離れるほど経路が長い流れ星を見ることができます。

流星群を観測する時は、明るい光源を直接見ないようにし、寝っ転がるなどして空全体をぼーっと眺めるように見ると、良いでしょう。
(その際、安全には十分注意してください。私はかつて十数名で観測していた時、後から来たメンバーの車に轢かれそうになったことがあるので)

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