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第5章 天の川銀河と星間物質 44

天文宇宙検定1級公式参考書極・宇宙を解く-現代天文学演習」を読んで、わからない用語や整理したい内容をまとめています。
ど素人がまとめていますので、誤り等指摘いただけると嬉しいです。

宇宙線の観測

宇宙線とは高いエネルギーを持った粒子のことで、宇宙から地球に降り注いでいる。
宇宙から地球に飛来するものを1次宇宙線
1次宇宙船が地球大気に突入する際に作り出す粒子を2次宇宙線と呼ぶ
1次宇宙線は太陽から来る太陽宇宙線と太陽系外から来る銀河宇宙線/銀河系外宇宙線に分けられる。

宇宙線のエネルギーは、$${10^9}$$eVから$${10^{20}}$$eVと広範囲に及ぶ
観測されるスペクトルは$${10^{15.5}}$$eVと$${10^{19}}eVに特徴的な折れ曲がりがあり、人の足に例え前者をニー、後者をアンクルと呼ぶ。

$${10^{10}}$$eV以下の低エネルギー宇宙線は、太陽系を覆う太陽の磁気圏(太陽圏)によって侵入を阻まれている。
1977年に打ち上げられたボイジャー 1号は2012年に太陽圏を出て低エネルギー宇宙線の直接観測に成功した。

$${10^{10}}$$eV以上、$${10^{15}}$$eV以下の宇宙線は、気球や人工衛星などで直接観測が行われている。

$${10^{15}}$$eV以上の超高エネルギー宇宙線は人工衛星等による観測は到達頻度が非常に小さいため困難である。
超高エネルギー宇宙線が大気との相互作用で2次粒子が生じ、さらに2次粒子が相互作用を起こす。これが繰り返されて粒子のシャワー(空気シャワー)のように降り注ぐため、これを観測する。

宇宙線の起源

$${10^{18}}$$eV以下の宇宙線は銀河系内で作られていると考えられている。
その発生源として有力なのが超新星残骸である。

超新星爆発により毎秒1000kmの超高速で進む超新星残骸は、その衝撃波で粒子を加速していると考えられている(衝撃波統計加速

超新星残骸SN1006(明月記に記されている超新星)の観測で$${10^{12}}$$eVを超えるエネルギーを持つ電子がシンクロトロン放射によってX線を放出されていることがわかった。
これにより超新星残骸の衝撃波が宇宙線加速の現場であることが明確になった。

$${10^{18}}$$eV以上の宇宙線は銀河系の外側で作られていると考えられている。
加速源としては活動銀河、ガンマ線バースト、銀河団などが候補に挙げられているが、未解明である。

$${10^{20}}$$eV以上の超高エネルギー宇宙線は、宇宙背景放射が原因と考えられている(GZKカットオフ

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