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星空散歩(秋)〜入門編

秋。日に日に寒さが身に染みる季節、夜空も明るい星が少なく寂しくなってしまいます。
秋の夜長を楽しみに、星空を散歩してみましょう。

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<星空を説明するときは、上下左右ではなく、東西南北を使用するのが通常ですが、>
<わかりやすさを優先させるため、北半球で南を向いて立っていることを前提に上下左右でまとめています。>
<10月1日22時、11月1日20時、12月1日18時ごろの北海道札幌市で見える星空になります。>

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秋の星空散歩は、『ペガスス座』の『秋の四辺形』からスタートします。
南の空、高いところで輝く『ペガスス座』の胴体にあたる四辺形は、非常に大きく目立つ星並びです。
(正確には左上にある星は『アンドロメダ座』と共有で、『アンドロメダ座』に属する星になります。)

四辺形のうち、右の辺をまっすぐ下に伸ばすと、秋の一つ星として唯一の1等星『みなみのうお座』の『フォーマルハウト』が輝いています。

同様に左の辺をまっすぐ下に伸ばすと、『くじら座』の『ディフダ』が輝いています。
『ディフダ』はかつては『デネブ・カイトス』と呼ばれていましたが、2016年8月21日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ で『ディフダ』と正式決定されました。
もっとも意味は「二匹目の蛙」ですので、『くじら座』とは何も関係のない名前ではあります。
(『デネブ・カイトス』は「海の怪物の南側の尾」ですので、こちらのほうが『くじら座』にはふさわしいと私は思います。)

また、左の辺を上に伸ばすと『カシオペヤ座』をかすめて、『北極星(=ポラリス)』を見つけることができます。

『カシオペヤ座』はW字の形をした星座ですが、先ほどかすめた星がWの右上の星になります。
そこから左側に目をやると、ちょうどW字のように並んだ星を見つけることができるかと思います。
2等星が多いため、比較的見つけやすいのではないでしょうか。
その特徴的な星並びから、「錨星」「山形星」などの呼び方も伝わっています。

日本の星座名は正式には『カシオペヤ座』であり、『カシオペア座』ではありません。
かつて走っていた寝台特急「カシオペア」は『カシオペヤ座』に由来しますが、【ヤ】ではなく【ア】になります。
『ペガスス座』も天馬ペガサスに由来する星座になりますが、ラテン語読みを基本とするため、『ペガスス座』が正式名称になります。
(ペガサスは英語読みになります。)

『秋の四辺形』のうち、3つは『ペガスス座』の星ですが、左上(東側)の星は『アンドロメダ座』の星になります。
この星を頂点に、四角形と反対側にちょうどアルファベットのA字のような星並びがあります。
これが『アンドロメダ座』になります。
『アンドロメダ座』と言えば、銀河のお隣さん『アンドロメダ銀河』がありますが、それは『星空散歩(秋)マニア編』の note で取り上げましたので、そちらをご覧ください。

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