木星の自転を捉える!
太陽系最大の惑星、木星
その直径は地球の11倍。つまり望遠鏡で見ている木星本体に地球が11個並ぶことになります。
これだけ大きい木星ですが、その自転(星自身が一回転する)にかかる時間はわずか10時間弱
地球の倍以上のスピードで回転しているのです。
そして木星といえば赤い大赤斑
巨大な渦でよく木星の台風と説明してしまいますが、実際は高気圧なので台風ではないようです。
非常に大きく地球2〜3個分になります。
この大赤斑が見えるようになる時間から数時間連続して撮影すると、大赤斑の動く様子(自転の様子)を捉えることができます。
去る9月21日
シーイング(星像の揺らぎ)が良いとはいえない空でしたが、雲ひとつない夜だったので2時間分、狙って撮ってみました。
撮影
撮影システムは以下になります。
・タカハシ ミューロン180C
・テレビュー パワーメイト 2.5x
・ZWO ADC 1.25”大気分散補正プリズム
・ZWO ASI178MC
・架台:五藤光学 Mark-X赤道儀
・PHD2+ZWO 30F4でオートガイド
・SharCap pro
撮影方法は、SharCapで30秒露出を30秒間隔で120回繰り返すように設定しての自動撮影になります。
途中、雲がかかったりすると露出やゲインを変える必要がありますが、基本的に放置です。
(ただ、メモリの関係なのか撮影が止まったりすることが稀にあるので、様子を見ている必要はあります)
撮影すると、動画ファイルが120ファイル出来上がります。
容量的にはクロップしていても500GBを超えてくるので、大容量SSDを用意しておく必要があります。
編集
撮影した動画は
・Autostakkert!3
・Registax 6
でアライメントとスタッキング、ウェーブレット処理をします。
私の場合、Autostakkert!3でアライメントとスタッキングをし、Registax 6でウェーブレット処理をしています。
120ファイルをひとつずつするのは非常に面倒ですが、Autostakkert!3でのアライメントとスタッキングはパラメータ指定さえすれば複数ファイルの処理が可能です。
Registax 6での複数ファイル処理はバッチ処理をすれば可能ですので、手間はほとんどかからずにすることができます。
動画作成
編集で出来上がるファイルはpngファイルになります。
今回はAdode PhotoshopでアニメーションGIFを作成しました。
作成したgifファイルをmp4ファイルに変換してYouTubeにアップした動画が下記になります。
左側から大赤斑が見えてきて木星が自転している様子がわかると思います。
これがわずか2時間の動きですので、木星の自転がとっても速いということがわかるかと思います。