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女子大生のモーニングルーティン🌿🕊

唐突すぎるが、今日は華の女子大生のモーニングルーティンを紹介したいと思う。

13:00

起床。

終わってる。
流石に人としてどうかと思う。
せめて午前中。
目も当てられない。

一応言い訳をすると、春休み前は弟達の弁当作りがあったので5:30に起きていた。誰も信じてくれないだろうがこれは本当。しかし春休みに入り、彼らも学校に行く必要がなくなったので昼夜逆転が瞬く間に根付いた。その根の深さったらそんじょそこらの雑草には負けはしないだろう。4月から大学が始まっているというのに。必修の卒研は2限なのに。文字通りTHE END。

13:45

寝ぼけなまこまなこで洗面所に向かう。

45分も何してたんだって?正確に言うと、起きたのは13:07で、「13:10の方がキリがいいから後3分で起きよう」と思っていた。しばし現実と夢の狭間をまどろんでから時計を見ると13:11。

「……13:15の方がキリええな」

これを繰り返しいつの間にか45分も経っていたのだ。起きる時だけでない、家を出る時も、缶詰状態のテスト期間の土日も、毎回きっちりこの手法で時間を切に無駄にしている。ヤメラレナイ トマラナイ カルビー カッパエビセン₍₍ (ง ᐛ )ว ⁾⁾。
なんやこのふざけた予測変換は。誰や登録したの。

木の枠にガラスが嵌め込んである、優に80kgを超えるであろう玄関の引き戸を絶妙な力加減で引く。力の限り引っ張ると今度は逆に閉まらなくなり、洗面所、玄関、リビングが筒抜けワンルームになってしまうのだ。非常に繊細さと大胆さの匙加減が重要な作業である。尚今日はワンルーム仕様になっている。

13:47

ウォール・シーナを突破し、精悍たる顔つきで洗面所に到着した。0.2しかない視力なりに凝視して、それらしきチューブを手に取る。通算61回目であろう洗顔フォームと歯磨き粉の間違い。アホほど苦い。咳き込めど咳き込めど泡が死ぬほど出てくる。お前は蟹か。
次にコンタクトを手に取る。しかし先述の通り、何も見えていないので洗浄液に浸った透明の膜を救出、裏表を確認、眼球に装着、これだけで7, 8分かかる。特に裏表なんぞ本当に分からない。時折裏表確認のために眼鏡を探しに行き、眼鏡を置いた場所がわからないという死活的失敗をしている。兎にも角にも、生きるのがヘッタクソすぎる。

14:11

ヘッドホンを装着。昨日の夜聴いていたクリープハイプが爆音で耳をつんざく。朝から聞くには鬱すぎるので、テイラースウィフトを選択。20秒ほどノリノリ♪になったらぶり返しが生じ、しんどくなる。寝ている間に体力が回復するって言い出した奴は誰だ。13時に起きる奴が僅20秒で全HPを失うことがあるのか。もう睡眠が回復薬だなんて虚伝にしか思えなくなってきた。結局いつも通りB'zを聴く。

14:15

無重力で掃除機をかけまくる。
「そしてぇぇえ かぁあがぁっやああくっ」
「ウルトラソウッッッッ!!!!!」
「Hi!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
プリウスの如く静かに捻挫。やはりHPが伴っていないのにテンションを上げるとロクな事がない。

14:20

申し訳程度にメールを確認。流れるように就活関連の送り主を全て非表示にする。
『このメールはあなただけにお送りしています』(中略)なんと!このメールに添付してあるコードを打ち込むと全員選考免除の特典がつきます!!』私だけに送ったんとちゃうんかい。全員選考免除してしまったらただの有志だろ。

そのままうっすらSNSも見る。インスタ検索欄に出てくる「彼氏ができない女の特徴7選」に被弾。ああいうのってなんで各ページに一行しか書いてないんだろう。詰めたら一枚に入るのではなかろうか。スワイプして4枚目、「根暗な人」。ブチギレて携帯をぶん投げそうになる。投げかけた相棒が単体で13万、中に総課金額ウン万円の推しが居ることを思い出し、冷静さを取り戻す。

14:24

落ち着きを取り戻しつつ、お湯を沸かす。いつもはカフェインゴリ増しのブラックコーヒーだが、今日は白湯にしてみようか。リラックス効果とかなんとか言うてたし、モデルが飲むとか言うてたし、白湯のなんかが身体のどっかしらに効くのだろう。うん、そうだそうだ。白湯にしよう。

お湯を沸かすと同時に、自分が中度の猫舌であることを思い出していた。
沸き立て淹れたてなんて絶対に飲めやしない。でも白湯を冷まして飲んだらそれはもうただの水やんな。水を沸騰させお湯にしてから冷ますとか、意味無いな。そこまで自分アホちゃうしな。いやでも絶対飲まれへん。

脳内会議がヒートアップしてきたところで、T-falがカチッと音を鳴らす。
しかし何事も挑戦することが大事。やらずに後悔するよりかは、やってから後悔した方がいいに決まってる。白湯を飲めば菜々緒とか田中みな実みたいになれるのかもしれない。

マグカップに噴火口のような音を立てるT-falを傾け、並々と注ぐ。

一息付き覚悟を決める。溶岩にも勝る温度の白湯を一気に流し込み、口内はキラウエア火山と化す。


走馬灯が走った。

死ぬかと思った。

熱い、の概念を超えてきた。

なんと形容すれば良いものか。

とりあえず「死」を想起させる温度だった、と伝えておこう。

世の中には、一定の「限度」というものが存在するんだ。超えちゃならねえラインってもんがあるんだ。あの白湯は平気でデッドラインを飛び越え気管を著しく損傷してきやがった。生まれて初めて、UFOのお湯を捨てられた後のシンクに同情した。

いやちょっと待て。「朝の日課は白湯を飲むことです♡」と軽く言い放つモデルさんとか女優さん達は本当に人間か。人間に扮したリザードンとかじゃないのか。さらに語尾にハートマークをつけれるほどの余裕。さすがモデル!!我々に出来ないことを平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!

じゃなくて。

白湯を流し込んだ後も当然の如く咳き込んだ。一体一日に何回咳き込んでいるんだろうか。そのうち明治の文豪みたいに台所で血吐かないかな。



無理があった。モーニングルーティンなんてキラキラしたこと、所詮キラキラした連中にしか許されていないんだ。私は禁忌に触れてしまったのだ。
そもそもタイトルの絵文字だって探すのにどれだけ時間がかかったか。🌿と🕊なんて生まれて初めて使った。普段🙇‍♀️と🙏しかほぼ使わない遅刻魔にはハードルが高かった。もう慣れないことはしないと誓う。カースト上層部の猿真似が大事故を起こすことはよくわかった。

地獄のナイトルーティンは今度書くとして、今日はこの辺で。

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