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なんでもないもののつくりかた #4
気づけば、勝手にはじめたこの企画も早折り返し地点。
今回はサブスクでも聴けるトラック4『コード』についてお話しする第4回です。
トラック4『コード』
アルバムの中では旧譜からの再録を除くと、『決めかねてる』の次くらいに原型が出来た曲。でも最終的なアレンジに辿り着くまでは封印期間もあったりで結構長くかかった記憶がある。
この曲はいせさんが弾き語りで持ってきたものを膨らませるパターンで作っていった曲で、割と平坦・淡々とした中で展開していく感じを出したいというのがメンバー間での共通認識だった。
個人的にはいせさんがこの時期良く聴いていたbig thief,japanese breakfast等を参考にしつつ『clairoやgirl in redみたいなベッドルームポップスをHALFMUST的解釈でやったらどうなるか』みたいなテーマを自分の中では考えてアレンジを進めた。
そういう意識があったので、メインの音作りに関しては宅録やdawで出すような残響感、少しこもったような「まろやかな歪み」で撮りたいなと思い、今までのトラックとはアンプも歪みも変え、当時はライブ用ボードに置いてなかったディレイも使った。
アンプはbisshiさんにお借りしたfender sidekicks(曰く魔改造mod)、歪みはphantom fxのtiny kowloon(TS系clo)、肝となったディレイはearth quaker devicesのavalanche run。
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bisshiさんにより魔改造済
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非常にダークな趣のTS系OD
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絶妙にスモーキーでアンビエントな質感が肝。
中盤の轟音部は完全にmogwaiオマージュ。
とかいいつつ、この箇所はファズを使わないで壁サウンドを作ることによって耳馴染みが良くなるようにしている。これはstrymon bluessky reverbのfavにwet100%、アタック0にセッティングしたpad系/飛び道具系(弦を殴るとザボーン、ガシャーンっていう)リバーブを仕込んでいて、それを使って作っている。
レコーディングではファズも足した轟音を録音したトラックも一応作ったものの、最終的なミックスの段階では殆ど使わず、あくまで「サラッと聴ける」手触りに仕上げてもらった。
曲の最後はストレッチフォームのアルペジオを淡々と。ニューウェーブ風味があると面白いかなと思いコーラスっぽい音作りにしている。
これもコーラスエフェクターではなく、blueskyのモジュレーションモードで作っていて、原音は揺らさずに残響音を揺らすことによって、音の芯を残しつつコーラス感を足している。(足元をあまり拡大したくないという理由も凄く大きい・・・bluesky万能説。)
あとはガラス感を出したかったのでpuはフロントで弾いていて、推進力を出すためにアコギのストローク(指弾きアルペジオと最後まで迷った)を裏で弾いている。
既存の曲と比べてHALFMUSTでは珍しくwetな質感を感じる曲でもあるかな〜と思うので、アルバムの折り返し、次曲のセカンドシーズンとの繋がりとしてもこの位置にこういう曲をバンドで作ることができて良かったなと思っている。
次回は旧譜からリアレンジして再録したトラック5『セカンドシーズン』について話します。
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