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なんでもないもののつくりかた #1

【まえがき】
自分が所属し、ギターを弾いているバンド "HALFMUST" は2022年1月10日に1st album『なんでもないもの』をリリースしました。

人生初のフルアルバムということもあり、自分がバンドに関わるようになってからのこと、録音中のこと、録音した機材やセッティングのことetc・・・を無性にまとめたくなったので、備忘録 兼 セルフライナーノーツ的に一曲ずつ、つらつらと解説していこうと思います。

主に、
①その曲にまつわる出来事やエピソード
②ギターアレンジ、影響を受けた曲について
③音作りや録音機材、セッティングについて
の3点を軸に書いていこうと思っているので、CDを買ってくれた方も、サブスクでちょろっと聴いたという方も、まだの方も、隙間時間に楽しんでいただける内容になれば幸いです。それでは。

トラック1『クラウドナッシング』

2019年にバンドに正式加入し、「アルバムを作りたい!」となって一番最初に取りかかったのが多分この曲。
「アルバムの一曲目っぽいイメージ」をいせさんにメンバーでリクエストして、イントロのドタドタっとしたビートをフィーチャーしたいねというところから膨らませていった。
曲名の由来通り、cloud nothingsのドライブ感を出しつつも渋くまとめたい意識がメンバー全員にあったものの、アレンジが固まるまでかなり時間がかかった曲で、初披露のときとアルバムのアレンジは結構異なる。(特にサビとギターソロは結構変えた)

普段、ギターを考えるにあたっては「必要な音が必要なだけ鳴っている状態」が理想と考えているのだけれど、この曲に関しては途中から「あえてポップにベタベタの弾きすぎくらいが面白いのでは?」と思い、(個人的には)ギリギリセーフくらいのフレーズと音数を置いている。特にサビのフレーズはハーマスの曲の中で一番ポップなのではないかと思っていて、弾いてるとき少しだけくすぐったい気持ちに勝手になっている。

個人的にアレンジに影響を受けたなあと思ったのは、eastern youthの『砂塵の彼方へ』と、medicationsの『safe and sorry』など。ちなみに曲の最後のリフはradioheadの『my iron lung』のオマージュのつもり。

録音で使ったギター、アンプ、ボードは大体いつもと同じでこんな感じ。

biasは使わなかった
『なんでもないもの』レコーディング時のボード

fender 52 telecaster
phantom fx meltdown od/ds(ac30 top boost clo)
shigemori ruby stone
phantom fx iconoclasm fuzz(blue muff clo)
strymon bluesky reverb
one control ABbox
fender 68 custom twin reverb

メインの歪みはメルトダウン、リフのファズはico、間奏のソロはルビーを足して作って、blueskyはBメロ〜サビ〜間奏〜Cで音の位置を下げて広げるようなイメージでONに。68 twin reverbはAB boxで信号を分岐させ、Aがbassmanスタイルのちょい太クリーン、Bがtwin reverbスタイルのきらきらクリーンとわけていて、どちらもオール5を基準にその日その場所の環境にあわせてハイローを足し引きしている。

基本はこのセッティングで撮ったんだけど、リフとアウトロだけ太った感じを出したくて、bisshiさんのアドバイスでtrebleを1に。あとはアウトロの弾き方もbisshiさんのアドバイスで荒さを出すために立ちながら引っ掻くように弾いていて、それによって偶発的な倍音を忍ばせることが出来たんじゃないかな〜と思っている。

ちなみに恐らく今回のアルバムで一番フィードバックを撮り直したのもこの曲だったと思う。満足行く立ち上がりや質感になるまで小一時間ほど付き合ってくれたbisshiさんには本当に感謝・・・

次回はサブスクにも上がっているトラック2『Big Nothing(to me)』について話します。


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